日本の歴史

アメリカの「核の傘」とは?ホントに日本は守れる?その疑問を徹底解説!

「核の傘」といっても、爆発した時のキノコ雲のことではありません。アメリカが大量に持っている核兵器を用いて、同盟国日本を守るという意味になります。よく使われる言葉で「核抑止力」というものがありますが、おおむね意味は同じです。しかし本当に「核の傘」で日本は守れるのでしょうか?そんな素朴な疑問を徹底的に、わかりやすく解説していきたいと思います。

非核三原則と核抑止

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全世界に散らばっている核兵器の数はざっと1万4千基以上といわれ、その多くが広島型原爆の何十倍も威力のあるものだとされていますね。これだけあればいったい人類を何回滅亡させることができるでしょう。「核兵器がなければ国を守れない!」と主張する方も多いのですが、日本と核兵器の関係について。今一度確認しておきましょう。

世界で唯一、核兵器の惨禍を受けた日本

今から75年前、人類史上初となる核兵器が広島市に対して使用されました。その後の原爆症などを含めた死者は14万人に及び、わずか3日後には長崎へ2発目の核兵器が落とされました。

世界で唯一の被爆国となった日本は、核兵器を呪い、二度と戦争の惨劇を起こすまいと誓いました。それは日本国憲法第9条に記されている通りです。

しかし戦後しばらくは、アメリカを主体とするGHQ(連合国軍最高司令部)によって占領され、国家として自立自存の道は閉ざされたままでした。この占領期間にあってアメリカは日本各地に基地を造成し、やがて米ソ冷戦の時代へ突入していくのです。

米ソの代理戦争といえる朝鮮戦争によって日本は経済的に潤っていきますが、そのいっぽうで否応なしにアメリカが作った軍事的枠組みに組み入れられることになりました。

在日米軍が朝鮮半島へ出征する代わりに、1950年、国内の治安維持のために警察予備隊が組織されました。警察組織を補完する役割があったとはいえ、それは明らかな軍事組織であり、その2年後に自衛隊として改編されています。自衛隊は国土防衛に特化した軍隊として続いていくことになりますが、憲法9条の主旨と辻褄が合わないことから論議の的となっていくのです。

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