アメリカの「核の傘」とは?ホントに日本は守れる?その疑問を徹底解説!
「核の傘で日本は守れる?」のまとめ
ここまで日本が攻撃された場合に、防衛は可能なのか?核の傘は有効なのか?さらには核攻撃を受ける可能性は?などについて論じてきました。
アメリカが保有する大量の核弾頭によって「核の傘」がある程度有効だということは証明できましたが、そこに至るまでの段階で、すでに日本が核攻撃を受ける可能性は非常に低いのではないか。ということが言えると思います。
北朝鮮の暴発によって、核ミサイルが日本へ飛んでくる脅威も否定できませんが、そのためにSM-3やPAC-3を主体としたMDシステム(Missile Defense Systems)があるのです。
ちなみに日本を攻撃可能な中距離ミサイルはノドンといって、北朝鮮は200発ほど保有しているようですが、そもそも発射台が50台程度しかないため、発射できる数は限定的でしょう。また液体燃料型のミサイルですから、当然の如く燃料注入には時間が掛かります。はっきり言えばアメリカや韓国の監視網や諜報網から秘匿することは難しいでしょう。
かたや迎撃する側からすれば、前述のイージス艦搭載のSM-3が64発、アメリカ第七艦隊の持つSM-3が40発、さらに地上に配備される自衛隊のPAC-3が200発、これとは別に在日米軍もPAC-3を400発保有しています。
FPS-5やFPS-3といった警戒管制レーダー網も日本海側に集中して配備されていますから、それこそ万全の態勢で北朝鮮のミサイルを迎え撃つことが可能なのです。
2017年に北朝鮮がミサイル実験を行い、日本上空を通過して太平洋へ落着したという事件がありました。この時に「なんで迎撃しないの?」「不意に撃たれたらどうしようもない!」といったネガティブな意見が多かったといいます。しかしこれは迎撃できなかったのではなく、あえて迎撃しなかったのです。発射直後からコースを正確に測定し、被害を与えるものではないと判断されたからでした。
たしかにアメリカが持つ核によって「核を撃たせない」効果はあるのですが、同時に撃たれた場合においても、世界有数の迎撃態勢が整っているということを忘れてはならないでしょう。
「日本は唯一の被爆国」という事実
核兵器はよく「使えない兵器」だと言われますね。その破壊力の大きさから使うことをためらうものだと。そして撃ったが最後、恐るべき報復が待っていることを人類は知っているのです。そういった意味では、唯一の被爆国である日本がもっと声を挙げても良いのではないかと思います。「大きな惨禍をもたらす核兵器はなくすべき!」と。それが原爆で亡くなっていった多くの方たちへの餞(はなむけ)になるのではないでしょうか。