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明治維新への道筋を開いた「孝明天皇」とは?わかりやすく解説

江戸時代末期から明治維新の激動の時代において、幕府に対して攘夷を主張して、開国に反対した天皇がおられました。孝明天皇です。しかし、孝明天皇は外国嫌いではありましたが、争いを嫌い平和な日本を願う方でもありました。この外国嫌いで攘夷を主張しつつも、幕府との融和も試みた孝明天皇について解説します。

開国に反対して条約の締結に反対した孝明天皇とは?

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孝明天皇は、1846年3月に即位された第121代天皇で、明治維新前年の1867年1月に崩御されるまで21年間にわたって朝廷に君臨されていました。この孝明天皇が天皇位におられた時期は、日本にとって江戸時代から明治時代に変わる時代の転換がおこなわれた時期で、幕末の混乱の時代の鍵を握っていた人物だったのです。

この孝明天皇は、外国嫌いで知られ、徳川幕府が米国との日米修好通商条約に調印することに反対して勅許を与えなかったことでもよく知られています。

そのために、日本国内では尊皇攘夷論が台頭して、混乱の時代を招き、最終的には明治維新につながったと言えるでしょう。しかし、孝明天皇自身がそれを望んでいたわけではありませんでした。

この孝明天皇について詳しく見ていくことにしましょう。

孝明天皇は外国が嫌いだった?

孝明天皇は外国嫌いで有名であったと言われています。実際に幕府に攘夷の勅許を下した後には、いつになったら攘夷を実行するのかと周囲に漏らされていたと言われているのです。ただ、その背景には孝明天皇には、当時の東アジア情勢や産業革命によって近代化した西洋社会について情報が伝えられていなかったことが大きいと言えます。そのため、長州が下関海峡で外国船に攘夷決行として砲撃をして、逆に4カ国艦隊(英国、蘭国、仏国、米国)にこっぴどく砲撃をされた後には攘夷をいうことはありませんでした。

その原因には、鎖国をしていた幕府から西洋に関する知識情報がいっさい歴代天皇には報告されていなかったからです。アヘン戦争で中国の清国が負けたことも知らされていなかったと思われます。

そのため、孝明天皇は鎖国によって日本の平和は保つことができると思い思い込んでいたのでしょう。阪本龍馬なども勝海舟と会うまでは外国に対する知識はほとんどなかったのですからね。

でも、もし孝明天皇に当時の海外事情が知らされていれば、違った判断をしたのではないでしょうか。

孝明天皇と開国の関係とその背景

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1853年にペリーが黒船を率いて浦賀に現れてから、日本は混乱の時代を迎え、最終的には明治維新に至ることになります。その中で初期の日米修好通商条約に至るまでの経緯と孝明天皇の関係について見てみましょう。

鎖国をしていた徳川幕府が慌てた中国清王朝のアヘン戦争敗北

ペリーが浦賀に現れる10年以上前の1840年~1842年に中国ではアヘン戦争がおこなわれ、イギリスが清王朝に勝利して南京条約が結ばれています。この条約で清王朝は、香港割譲や不平等条約を結ばされていたのです。その情報は徳川幕府の老中にももたらされ、驚愕して狼狽します。そのため、外国船が来ることを恐れた老中は1828年に出された「外国船打ち払い令」を緩和してしまいました。すなわち、それまでは難破などして食料や水などを支援することさえも禁止していましたが、緊急の場合には支援することを認めたのです。

しかし、当時まだ鎖国をしていた徳川幕府は、その情報を隠し、京都の朝廷の天皇には報告していませんでした。

ペリー提督の来航と幕府の弱気

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幕府の不安は的中して、1853年にアメリカのペリー提督が率いる黒船4隻が現在の東京湾の入り口にある三浦半島の先端にある浦賀に現れ、徳川幕府に面会を求めたのです。そこでアメリカ大統領フィルモアの親書が手渡され、開国を迫られました。

アヘン戦争以前にもロシア船やイギリス船などが訪れ、開国を迫っていました。しかし、当時はまだ西洋列強国の怖さが知られておらず、「外国船打ち払い令」を打ち出して開国を断っていたのです。

しかし、アヘン戦争によって西洋諸国の強さがわかっていた徳川幕府の老中は日本が攻撃されることを恐れました。老中阿部正弘は主要大名に意見を聞いたりして、朝廷の孝明天皇に報告して、相談をしようとします。それまで、徳川家康によって幕府が設けられて以来、幕府は朝廷や主要大名に意見を求めたことはいっさいなく、常に幕府の将軍や老中がすべて決めていたのです。

したがって、この老中の狼狽はそれまで絶対権力を誇っていた徳川幕府の権威を著しく傷つけ、幕府の専制的な政治を大きく転換するきっかけになったと言えます。

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