労働者の革命から始まった
ソビエト連邦が起こるきっかけとなったのが1917年のロシア革命でした。
日露戦争や第一次世界大戦によってロシアの国土は大きく荒廃。さらには国内産業が著しく破壊されてしまったこともあり、国民は生活物資の不足に見舞われてしまいます。
さらには第一次世界大戦に至ってはロシアは劣勢。ドイツ軍が破竹の勢いで進撃を進めていったのです。
こうしたロシア軍のダメダメな姿を見てしまった国民たちはロマノフ王朝を見限ってしまい、国民の怒りは頂点に達することになり1917年2月23日に首都ペトログラード(現在のサンクトペテルブルク)で女性労働者らが食料を求めるデモが全国に波及したことでニコライ2世は皇帝の座を退位。弟が継ぐ予定でしたが、弟も即位を辞退してここに1721年から続いたロシア帝国が終焉を迎えたのです(2月革命)。
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二重の権力の誕生
こうしてロマノフ王朝は打倒されてしまいましたが、その後ロシアには臨時政府と呼ばれる資本家などで構成される政府が誕生。
さらにはペトログラードやモスクワなどでは労働者によるソビエト(評議会)が結成。二つの権力がロシアを二分していることからこのことをいわゆる二重権力と言います。
しかし、臨時政府は戦争をやめようとはしません。それもそのはず、臨時政府の大半が資本家であり、そういった人々は基本的には儲かる軍需産業を継続して行いたかったのです。しかし、労働者は反戦ムード。この相反する考えがロシアに強く影響されていくのです。
十月革命
こういった形で権力が二重に分かれらそれぞれが対立するようになったロシア。
ロシアではドイツからペトログラードに戻ってきたレーニンによってボリシェビキが誕生していくようになります。
ボリシェビキは臨時政府から政治の実権を奪うために臨時政府が置かれていた冬宮に襲撃。11月7日(ユリウス暦10月25日)に起こった十月革命によって臨時政府は打倒されることとなり、ボリシェビキがロシアを支配することになったのです。
ボリシェビキは共産党と名前を変更し、1919年にドイツ帝国とブレスト=リトフスク条約を結んで戦争を終わらせ、さらには臨時政府の残骸が放棄してロシア内戦が始まったり、連合国によるシベリア出兵の干渉戦争が行われるようになるとボリシェビキの赤軍は対応に追われることになります。
内戦はおよそ2年にわたって継続して行われていきましたが、その内戦によって国土は大きく荒廃。共産党はこの対応に追われることになります。
レーニンの死とスターリンの台頭
経済政策では、内戦中に戦時共産主義を導入したが、これは農業と工業の崩壊を招き、1921年よりネップ(新経済政策)が導入され経済はようやく持ち直しました。さらに連合軍の干渉が続いていた状態もどんどん改善されていき、ロシア内戦は赤軍側の勝利で幕を下ろしました。
こうしてロシア内戦を勝ち抜いたレーニンは1923年に高らかにソビエト社会主義共和国連邦を設立。翌年にはソビエト連邦初めての憲法も制定されました。
こうしてソ連の成立によって新しい国造りが始まるかに思われましたが、1924年にレーニンが脳梗塞で死去。その後釜争いが起こることになります。
レーニンの後釜として有力視されていたのはレーニンの右腕として活躍していたトロツキーとスターリン。レーニンはトロツキーにソ連は任せられないとし、スターリンはあまりにも粗暴すぎると発言していましたが、結局はこの2人の一騎討ちに。本来であれば書記局のトップであるスターリンがリーダーになるとは思えませんが、スターリンはトロツキーの孤立化を図り、最終的にはトロツキーをソ連から追放。スターリンがレーニンの後釜となることになりました。
スターリンの独裁
スターリンが政権を取るとこれまでのソ連の方針であった世界革命を変え、ソ連だけで社会主義を目指していこうとする一国社会主義を取るようになっていきました。
スターリンはまず、レーニンが行った新経済政策き目をつけます。スターリンは新経済政策をほとんど廃止して計画経済による農場の集団化を推し進めていくことに。このスターリンによる農場の集団化はコルホーズに代表されることになるのですが、この計画経済があまりにも酷いものであったため最終的にはウクライナで600万以上の餓死者を出すまでの大飢饉を引き起こすことになります。
一方で工業化の方はというとスターリンは1928年から第一次五カ年計画を開始。重工業にあまりにも振り切っているという点もありましたが、この第一次五カ年計画によってソ連は一気に工業化を達成。さらに、1929年にアメリカをはじめとした資本主義国家にて世界恐慌が巻き起こるとソ連の計画経済が注目されることになります。第一次五カ年計画はその目標を達成する成果を挙げましたが、やっぱりその裏にはソ連人民の大量の犠牲に成り立っていたのでしょうね。
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