フランスヨーロッパの歴史

ヨーロッパの大国「フランス」の歴史とは?紀元前からわかりやすく解説

運命の第二次世界大戦

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世界恐慌によって復活しかけていたフランスの経済は破綻。ブロック経済という形で乗り越えようとしますが、戦争が終わってからずっと政府が不安定。内閣は一年おきに変わる程安定しなくなっていたのです。それでも1936年にフランス人民戦線と呼ばれる左派政権が成立するのですが、それでもフランスの政権は安定することはなく、ずるずるとこの状況を引きずることになります。

しかし、そんな中でドイツはヒトラーのもとで経済が復活。1935年に再軍備を宣言して1936年にはヴェルサイユ条約で禁止されていたラインラントの進駐も行っていくことになります。

その後もドイツはオーストリアを併合、ズデーテン地方を獲得チェコスロバキアを併合を行なっていき領土を拡大。そして1939年にドイツは旧領回復のためにポーランドに侵攻。フランスはこれ以上我慢できずついにドイツに宣戦布告し第二次世界大戦が起こることになります。

しかし、フランスの軍備は防衛一辺倒。ドイツとの国境にマジノ線という一大要塞線を構築していましたが、ドイツはこのマジノ線を通らずにオランダとベルギーに侵攻して要塞線のないフランス北部から侵攻。

マジノ線の防衛しか想定していなかったフランスはたちまち蹂躙。パリが陥落して1940年6月22日に独仏休戦協定が締結されました。これによってフランスの北側5分の3がドイツ領になり南部の一部をヴィジー政府としてドイツの傀儡にしました。一方でフランスの軍人であったシャルル・ド・ゴールはロンドンに亡命。亡命先のロンドンで自由フランスを組織してドイツに支配されたフランス領におけるレジスタン活動やアフリカにおける抵抗活動を持続。粘り強くドイツ軍に抵抗していくことになります。

第二次世界大戦の情勢はドイツが優勢となっていましたが、1941年に独ソ戦を始めていくと北アフリカ戦線では連合国軍による反攻作戦が行われていくことになりました。連合軍はドイツ軍のロンメル元帥の指揮によって一時期劣勢に追い込まれますが、最終的には連合軍の勝利に終わり、1944年6月に自由フランスは北アフリカにてフランス共和国臨時政府を成立させるに至ります。

さらには1943年から連合軍は逆転。アメリカ・イギリス軍によってフランス沿岸のノルマンディーに上陸作戦を敢行してこれが見事に成功することに。フランス本土に再び連合国軍が上陸して1945年6月22日にはパリが開放。フランスは再びパリの地を踏むことが叶ったのです。

そして1945年にドイツは降伏。フランスは元の領土を取り戻し、新しく成立した国際連合では五大国の一員に入ったのでした。

ド・ゴールの新しい道

こうして第二次世界大戦に勝利したフランスは臨時政府を1第四共和政に移行させて戦後の政治を進めていくことになります。しかし、この政府は戦前と同じ政権が全く安定することはなく戦前の二の舞になる可能性が非常に高かったのです。

また、植民地支配も徐々に難しくなっていき戦後にはフランス領インドシナやアルジェリアで反乱が勃発。第一次インドシナ戦争でインドシナから撤退することとなり、さらにはアルジェリアも反乱が頻発することになります。

そんな中、強い政府を望んでいる国民の後押しを受けて1959年にシャルル・ド・ゴールを大統領に据えることに。

ドゴールは憲法を改正して大統領に強い行政権限があるフランス第五共和政へと移行。

ドゴールはこれまでの植民地に対する強硬な姿勢を改めて独立を起こそうとした地域をあっさりと承認。1960年にアフリカの植民地の大半が独立したときに元植民地に大量の支援を約束しました。

また、戦後の冷戦という時代においてもドゴールは独自の外交を行なっていくようになり1964年には中華人民共和国を承認。

北大西洋条約機構を脱退するなどアメリカと距離を置く姿勢を取るようになります。また、1960年には核開発を断行して核保有国に。フランスの国力を世界に知らしめることとなりました。

現在のフランス

ドゴールは独自外交によって戦後のフランスをリードしていきましたが、やがてこの政治体制にも限界が訪れることになります。1966年からドゴールの退陣を要求する五月危機が起こり、フランスはこの運動の収束に追われることになりました。ドゴールはその後の選挙で勝利するのですが、歳の関係もあって翌年には大統領を引退。ドゴールの時代は終わりを迎えることになります。

その後フランスではコアビタシオンという保守と革新勢力の共存という状態が続くことになり、フランスの政治は停滞。しかし、フランスの独自の外交は継続されることになりイラク戦争に派兵を要求されたときにはシラク大統領は拒否しました。

現在のフランスはEUに加盟してヨーロッパ政治の一翼を担う存在となっているのですが、難民問題が深刻でありその対応に追われています。

フランスの歴史は激動の歴史であった

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フランスの歴史はナポレオンのように栄光の時代もあれば、ナチスに支配されていた屈辱の時代もあるなどその歴史は波乱万丈なものでした。

フランスに旅行した際にはフランスの歴史にも目を向けてみるといいかもしれませんね。

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