アメリカの歴史独立後

ルーズベルト大統領が掲げた「ニューディール政策」とは?わかりやすく解説

表面的には成功したと思われているが!

アメリカの失業率を見てみますと、1929年の世界恐慌後に低下した失業率は、1933年に底を打ち、1938年頃には大恐慌前の水準まで戻っています。但し、景気そのものは回復したとは言えません。世界がブロック経済化したことによって、それまでのように輸出が出来なくなり、生産しても売れないという状況が、第二次世界大戦が始まる1940年頃まで続いたのです。

実際のアメリカ景気は回復しなかった

従って、失業対策としてのニューディール政策はある程度は成功していますが、1人当たりの賃金や景気そのものは停滞したままであり、経済政策としてうまくいったかは疑問の残ることになったのです。ただ、失業率の低下は、ルーズベルト大統領の人気を高めたと言えます。

アメリカ景気を救った第二次世界大戦

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アメリカ経済は、第二次世界大戦によって大きく回復していきます。第二次世界大戦では、戦場となったヨーロッパや日本などは生産設備がほとんどが被害を受け、生産能力が激減していました。しかし、アメリカ国内での戦闘は行われておらず、アメリカの生産力は傷を受けていません。そのため、ヨーロッパやアジア、その他の地域への輸出が急拡大したことによって、アメリカ景気は空前の活況を呈したのです。

戦争に救われたルーズベルト大統領

従って、ルーズベルト大統領のニューディール政策は、失業対策としては人気を得ましたが、景気の回復が出来ずにいました。しかし、ヨーロッパでは、ドイツを中心とした戦争が起こり、アジアでは日本との戦争が始まったことによって、戦時経済が活況を呈して、ニューディール政策は結果的に結論が出ないままに終わります。政策そのものに関係なく、経済は回復していったと言えるのです。

ニューディール政策の戦後経済への影響_ケインズ経済学の浸透

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ルーズベルト大統領のニューディール政策は、戦争もあって結果的にはアメリカ経済は大きく回復したことで、ケインズの近代経済学は、多くの国で実施されるようになったのです。

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