平安時代日本の歴史

一気に辿ってみよう「平安時代」400年の歴史。元予備校講師がわかりやすく解説

794年、桓武天皇は長岡京から現在の京都市にあたる平安京に都を移しました。この年から源頼朝が鎌倉幕府を開く1192年までの約400年間を平安時代といいます。平安時代は大きく分けて4つの時代に区分可能なんです。今回は、平安時代の大まかな流れについて、元予備校講師がわかりやすく解説します。

平安初期の天皇親政

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平安京に都が移ってからおよそ50年間は天皇中心の政治が行われます。桓武天皇は仏教勢力が強い奈良の平城京から京都府南部の長岡京へ、長岡京から現在の京都市にあたる平安京へと遷都しました。桓武天皇の死後、朝廷の主導権をめぐっておきたのが薬子の乱。薬子の乱に勝利し、藤原冬嗣を重用して政治を行ったのが嵯峨天皇でした。平安初期の政局についてみてみましょう。

桓武天皇の時代

781年、光仁天皇の第一皇子だった桓武天皇が即位します。桓武天皇は奈良時代末期に強大化した仏教勢力を政治から切り離す必要を感じていました。そのため、仏教勢力の力が強い平城京から水陸の交通の便が良い山背国(山城国)の長岡京に遷都し政治の刷新を図ります。

しかし、長岡京建設の責任者だった藤原種継が暗殺されるなど不祥事が相次いだため、桓武天皇は長岡遷都を断念。794年に改めて平安京への遷都を実行しました。

桓武天皇は最澄・空海など新しい仏教者を重用する一方、律令体制の立て直しを図ります。また、弱体化していた地方の軍団を廃止し地方有力者である郡司の子弟を集めて健児とよばれる新軍団を創設し軍事力の再建をはかりました。

さらに、坂上田村麻呂を征夷大将軍に任命。東北地方の蝦夷を討伐させます。

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