どんな漫画？作者はどんな人？
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『キングダム』は、原 泰久（はら やすひさ）さん作の長編漫画作品。集英社発行の『週刊ヤングジャンプ』にて2006年9号より連載を開始して以来、大変な人気を保ち続けており、アニメや実写映画化された作品も有名です。2013年には、第17回手塚治虫文化賞において、年間を通じもっとも優れた作品に与えられるマンガ大賞を受賞しています。
作者の原 泰久さんは、1975年佐賀県生まれ。子どもの頃から絵が上手だったそうですが、本格的に漫画を描き始めたのは九州芸術工科大学（現・九州大学芸術工学部）在学中とのことです。大学3年生の時には、ちばてつや賞ヤング部門にて期待賞を受賞するなどすぐに才能を発揮するものの、一旦はプログラマーとして就職。その後脱サラして漫画に専念した経験を経てにプロデビューを果たしています。
舞台は？どんな物語？
『キングダム』が中国史を扱った作品ということはよく知られていますが、一体いつの時代のことなのかは少し分かりにくいかもしれませんね。ここでは『キングダム』の舞台となった時代や大まかなあらすじをご紹介します。
『キングダム』は春秋戦国時代の末期の物語
物語の舞台となるのは、紀元前3世紀の古代中国。この時代は「春秋戦国時代（しゅんじゅうせんごくじだい）」と呼ばれ、500年に渡り各地で覇権争いが繰り返された戦乱の世でした。年号で言うと、中国古代の王朝「周（しゅう）」が没落し、洛邑に遷都した前770年から、「秦」の始皇帝（しこうてい）が中国を統一する前221年までが春秋戦国時代にあたります。
春秋戦国時代は春秋時代と戦国時代を合わせた呼び方で、中原の覇者であった晋が韓（かん）・魏（ぎ）・趙（ちょう）に分裂する前403年までが春秋時代、それ以降が戦国時代です（諸説あり）。『キングダム』第一巻では、前245年の「秦（しん）」から物語がスタートしていますので、春秋戦国時代の末期の物語ということになります。
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『キングダム』のあらすじ
『キングダム』は、主人公の信（しん）が幼馴染の漂（ひょう）との夢であった天下の大将軍を目指し格闘する姿を描いた物語です。信と共に重要な人物として描かれる嬴政（えいせい）は春秋戦国時代末期の秦国王。争いが絶えない世の中を制し、中華統一を目指す嬴政の元、信も共に祖国のために命を懸けた戦いを繰り広げます。
見どころは、戦災孤児で下僕として働いていた少年・信が、大将軍を目指してどう成長していくかという点。幼く無鉄砲さが目立った信が、徐々に頼りがいのあるリーダーとなっていく過程は読むものを惹きつけます。信が這い上がっていく中で出会う仲間たちと結ばれる絆、敵将たちとの熱い戦いにも心を動かされるはずです。
『キングダム』は史実に基づいた話？
『キングダム』は史実に基づいた話なのか？という点も気になるかもしれませんね。結論から言うと、『キングダム』は史実をベースに作られたフィクション作品です。物語のベースとなっているのは、中国の歴史書『史記』。『史記』は、漢時代の歴史家・司馬遷が記した中国を代表する歴史書で、伝説の帝・黄帝の時代から前漢の統治時代までの二千数百年を記した大著です。
『史記』は史料としても物語としても非常に貴重なものですが、古い時代の著であるがゆえに、今のように全ての出来事を詳細に記録できたわけでもありません。そのため、作者の原 泰久さんは、『史記』に記載のある史実を踏まえつつ、登場人物の特徴やエピソードなどを創作して『キングダム』の世界を作り上げているそうです。
主な登場人物はこの4人！
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個性的で魅力的なキャラクターが多数登場するのも『キングダム』の魅力の一つ！戦の中で登場する武将たちも人気が高いですが、ここでは特に押さえておきたい主要な登場人物を4人を紹介します。
天下の大将軍を目指す・信
まずは主人公の信から。戦争で両親を失った信は、奴隷同然の下僕として働く少年として登場します。過酷な運命を変えたのは、同じく戦争孤児で幼馴染の漂。恵まれない境遇から脱出するため、二人は共に競い合って武術の腕を磨き、いつの日か天下の大将軍となることを目指します。信が後に武将として活躍することになるベースが、幼いころの経験にあるのは間違いありません。
やがて中華統一を目指す国王・嬴政と出会った信は、その類まれなる戦闘能力と精神力の強さで、次々と武功をあげていきます。しかし、シリアス過ぎず、ちょっと抜けたところもあるのが信の魅力。仲間思いで、心から応援したくなる主人公です。信は実在の秦の大将軍・李信（りしん）がモデルとなっていますが、多くの文献が残っている人物ではないので、作者の原 泰久さんの創作である部分も多いキャラクターと言えます。
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