イタリアヨーロッパの歴史

大西洋を横断した「コロンブス」の生涯とは?新大陸発見のその後もわかりやすく解説

大航海時代を代表する航海者の一人であるコロンブス。歴史の教科書に必ず書かれている有名人なので知っている人も多いでしょう。彼はスペイン王の援助を受け、大西洋を横断。「新大陸」の東海岸を探索しました。コロンブス自身は、見つけた大陸を「新大陸」ではなく、インドの一部だと思っていたようです。やがて、コロンブスが見つけた「新大陸」はスペインに莫大な利益をもたらしました。今回はコロンブスの探検航海とスペインの「新大陸」支配について、わかりやすく解説します。

コロンブスの探検が行われた背景

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15世紀後半、スペインより早くレコンキスタを終えたポルトガルはエンリケ航海王子の指導の下、アフリカ大陸西岸の探索に乗り出しました。なぜ、ポルトガルが新航路開拓に乗り出したのでしょう。その理由は、香辛料にあります。また、科学や航海技術の発達により遠洋航海が可能となっていたことも探検航海が盛んになった理由でしょう。加えて、レコンキスタを終えたスペインが本格的に外洋航海に乗り出します。

香辛料の需要増加

香辛料とはどのようなものを指すのでしょうか。今回は、香だけを楽しむ乳香や白檀のような香料ではなく、口に入れて刺激を味わうものを香辛料として考えます。

香辛料として広く取引されたのはコショウ、チョウジ、シナモン、ナツメグなどでした。もっとも代表的なものはコショウでしょう。コショウはインド原産の香辛料です。主に肉料理の味付けに使われました。

冷蔵庫のなかった時代、肉類は塩漬けにして保存されます。塩漬け肉はそのまま調理するとにおいが強いため香辛料でにおいを消して味を調えました。

中世後半になると経済が発展。富裕層を中心に肉食がさらに盛んになりました。その結果、富裕層は肉の風味を良くする香辛料を競って求めるようになります。

重量が軽く高額で売れる香辛料は商人たちにとって最高の商材でした。そのため、商人たちは香辛料をヨーロッパに持ち込みます。

オスマン帝国の台頭と高価な香辛料

13世紀末に小アジアに建国されたオスマン帝国は次第に勢力を拡大していきました。1453年、オスマン帝国のスルタン、メフメト2世ビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルを攻め落とし、イスタンブルと改称。オスマン帝国の新たな首都としました。

イスタンブルはシルクロードの重要都市でアジアとヨーロッパを結ぶ一大センターです。イスタンブルを制することはシルクロードの西側を制することに繋がりました。

オスマン帝国のムスリム商人たちはインドでコショウなどの香辛料を買い付けます。イタリア商人はムスリム商人からコショウを買ってヨーロッパで販売しました。

ムスリム商人たちは香辛料を高値でイタリア商人に販売したため、香辛料の価格が吊り上がります。ヨーロッパの人々はオスマン帝国を経由せず、直接インドから香辛料を買い付けたいと考えるようになりました。

科学や航海技術が発達

14世紀から15世紀にかけて、イタリアを中心にルネサンスが始まります。ルネサンスは芸術・文化が花開いた時代として知られますが、科学技術が大いに進歩した時代でもありますね。

15世紀のイタリア人トスカネリは、地球は丸いとする地球球体説を主張します。当時、地球を平だと信じる人が多く、水平線の先は滝のように落下すると考える人もいた時代なので、トスカネリの説はインパクトのあるものだったでしょう。

また、羅針盤が改良されることで外洋航海が可能となります。今まで、沿岸を伝うようにしか航海できなかったことを考えると、飛躍的な進歩です。

さらに、船自体も進歩しました。15世紀、カラベルとよばれるタイプの船が開発されます。カラベルはポルトガルではナオ、スペインではナウとよばれ、外洋航海を前提とした船でした。これで、コロンブスが大西洋を横断する大航海を実行する条件が整います。

レコンキスタの終結とスペインの誕生

ヨーロッパ西端のイベリア半島は長い時代にわたってイスラーム教徒が支配してきました。キリスト教徒はイスラーム勢力を食い止めつつ、徐々に反撃。イベリア半島をイスラーム勢力から取り戻そうとしました。

キリスト教徒によるイベリア半島奪還の軍事活動を国土回復運動(レコンキスタ)といいます。13世紀以降、ポルトガル王国カスティリャ王国アラゴン王国などがイスラーム勢力と戦い、領土を獲得しました。カスティリャ王国の女王イザベルとアラゴン王国の王子フェルディナンドが結婚すると、カスティリャとアラゴンは強い同盟関係を結びます。

1492年、カスティリャ軍はイスラーム勢力最後の拠点であるグラナダを陥落させ、ナスル朝を滅亡させました。これにより、レコンキスタは終結します。その後、カスティリャとアラゴンは合併し強力な中央集権国家であるスペイン王国が誕生しました。

コロンブスの探検航海

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1451年、イタリアのジェノヴァもしくはその近郊でコロンブスが誕生したといわれます。彼が生きた時代は大航海時代の真っただ中。若いころから船乗りとして活動していたコロンブスも一獲千金を夢見ていたかもしれません。コロンブスはトスカネリの地球球体説を知って西回りにインドにたどり着く航路を開こうと考え、ポルトガルやスペインに援助を依頼。スペインの援助を受け西回り航路開拓の探検に出発します。

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