ポルトガルへの売り込み
コロンブスは20代後半頃、ポルトガルのリスボンに移住します。当時、ポルトガルはエンリケ航海王子が行った西アフリカ開拓事業などがきっかけとなり積極的に海外に進出していました。
ポルトガルに移り住んだコロンブスは積極的に天文学や地理、航海術を学んだといいます。また、スペイン語の修得にも熱心でした。その中で、コロンブスはトスカネリの地球球体説について学んだことでしょう。
コロンブスは西回りに航海すれば、アフリカの南端を回らずに済むため、東回りより早くインドに到達できると考えます。この考えを実現するため、コロンブスはポルトガル王に新航路開拓の援助を願い出ました。
しかし、ポルトガル王室はコロンブスの提案を却下します。大西洋横断に成功した船隊がいなかったことやアフリカ探検が順調だったため、ポルトガル王室はコロンブスの提案に出資するメリットを見出せなかったのでしょう。
スペインへの売り込み
ポルトガルへの売り込みに失敗したコロンブスはスペインへと向かいます。コロンブスはスペイン貴族の一人、メディナ・セリ公に援助を求めました。コロンブスの計画に興味を示したメディナ・セリ公は支援を約束します。
大事業となるので国王の許可が必要と考えたメディナ・セリ公はコロンブスをフェルディナンド2世とイザベル1世に引き合わせました。しかし、スペイン王室からコロンブスの計画に対する許可がなかなかおりません。コロンブスはスペインの支援を求めることをあきらめ、フランスに旅立とうとしました。
ところが、事態は急変します。1492年にグラナダが陥落したことで、スペインに探検航海支援の余裕が生まれました。以前からコロンブスの計画に興味を持っていたイザベル1世はコロンブスの支援を決定します。
探検航海への出発
1492年、イザベル1世から資金援助を受けたコロンブスは3隻からなる探検船団を組織しました。2隻は小回りのきく船、1隻は大型のナオ船です。コロンブスが乗り込んだナオ船は「サンタ=マリア号」という名でした。
コロンブスの船隊はカナリア諸島で補給したあと、島影一つ見えない大西洋へと船を出しまします。西へ西へと船を進めるにしたがって、乗組員たちの不安は高まりました、
しかも、コロンブスのインド到達までの計算は実際の距離に比べるとかなり短い見積もりだったため、予定日になってもインドはおろか、島影一つ見えません。たまりかねた乗組員たちの一部は反乱を起こします。
反乱鎮圧後も、乗組員たちの不審と不安は消えませんでした。1492年10月11日、コロンブスの船団は待ち見舞った島影を発見、ついに、大西洋横断に成功します。
コロンブスの帰国とその後
コロンブスたちが上陸したのは現在のサンサルバドル島でした。最初、原住民たちの歓迎を受けましたが、コロンブスたちが現地の金などを略奪した為、しだいに敵対関係に変わります。コロンブスはこの島をインドの東部にある島だと考え、付近の島々を西インド諸島と命名しました。
その後、コロンブスは現地から奪った戦利品をもってスペインに帰国。帰国したコロンブスは盛大な歓迎を受けます。スペイン王室は事前の約束に従い、コロンブスを発見した土地の総督に任命しました。しかし、コロンブスの栄華は長く続きません。
1498年から1499年にかけて、コロンブスが発見した土地に入植した人々が反乱を起こしたのです。これを知ったスペイン本国は調査官を派遣。コロンブスを解任してしまいます。
コロンブスは総督の地位を失い、再び探検航海に出ましたがめぼしい成果を上げることが出来ませんでした。コロンブスは失地回復することが出来ぬまま、1506年に亡くなります。
スペインによるラテンアメリカ征服
コロンブスは気づきませんでしたが、その後の探検によりコロンブスが発見した島々はインドではなくアメリカ大陸の一部であったことが判明します。15世紀になると、スペインは本格的にラテンアメリカに進出し、アステカ王国やインカ帝国を滅ぼし植民地としました。スペインによるラテンアメリカ征服についてまとめます。
コルテスによるアステカ王国征服
1519年、キューバ総督に属していたスペイン人コルテスは、メキシコにベラクルスを建設しました。コルテスはベラクルスを拠点にしてメキシコにあるアステカ王国の征服を図ります。
コルテスが目をつけたのはアステカと対立していたトラスカラ人。コルテスはトラスカラ人と3度にわたって戦い、彼らを従え戦力を整えました。コルテスとトラスカラ人の軍はアステカの都テノチティテトランを目指しました。
アステカ王モンテスマはコルテス一行を丁重に迎えましたが、コルテスはモンテスマを捕らえ、アステカ人の攻撃を封じます。これによりコルテスは圧倒的に有利になりましたが、モンテスマが死ぬとアステカ人の反撃にさらされました。
コルテスたちは一度占領した都のテノチティトランを脱出。体勢を立て直して再び攻め寄せます。コルテスとアステカ人の戦いは数ヶ月に及びましたが、テノチティトランが陥落したことでアステカ人の抵抗は止みました。
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