幕末日本の歴史江戸時代

幕末偉人「木戸孝允(桂小五郎)」とは?わかりやすく解説!

桂小五郎と薩長同盟

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倒幕のターニングポイントとして「薩長同盟」というものがあります。幕府を倒すために手を取り合ったように「坂本龍馬」が画策したように思っていますが、意外とそうではないという話が残っていますよ。元々書面としての約束ではなく、口約束だったともいわれていますね。桂小五郎が坂本龍馬にあてた手紙にのみ内容が記されて、坂本龍馬が赤字で証人として書いた書状のみがありますよ。

薩長同盟となる長州藩と薩摩藩の事情

事情を簡単に整理してみましょう。

〇長州藩
 武器が買えなくて困っている・味方がいなくて困っている

〇薩摩藩
 米がなくて困っている・幕府が長州潰したら次は自分のとこ?と疑心暗鬼

そこで登場するのが、坂本龍馬と「西郷隆盛」。このふたりは幕臣の「勝海舟」から「内戦なんかしている場合じゃないぞ!」と怒られていますから、どうにか止めたいと思っていました。しかし「八月十八日の政変」「蛤御門の変」で長州藩に対して攻撃してきて朝廷での実権をとったのは薩摩藩なのですから、とてもじゃないですが憎しみこそあっても手を結ぶなんていうことは考えられないのですね。

薩長同盟が結ばれる

そこで坂本龍馬と「中岡慎太郎」です。坂本龍馬は薩摩と仲が良い。中岡慎太郎は長州と仲が良い。ついでに「土佐藩」なので幕府のブラックリストにも載っていない!うってつけのふたりですよね。そして坂本龍馬がやっている貿易会社「亀山社中」ですよ。この一番困っている武器と米を中心にして話をもっていったのですよ。

薩摩が長州との会合をドタキャンするなど紆余曲折の末に、慶応2年(1866)1月22日にようやく薩長同盟が結ばれます。桂小五郎は長州の代表として薩摩の「小松帯刀」「大久保利通」「西郷隆盛」「黒田清隆」らという薩摩のそうそうたるメンバーたちと幾度も会合をひらいて結びつきを確固たるするものにしました。

薩長同盟の内容はどんなものだったのかというと、「国史大辞典」によると下記のようなものだったのですね。倒幕などという思惑などは後付けに近い結果論だったのです。

〇幕府と長州藩が戦争になっても、薩摩藩は参加しない。
〇長州藩が幕府と戦争があってもなくても、勝っても負けても、朝敵から免除されるよう動く。
〇長州藩が許されたら、薩摩藩と手を取り合って朝廷を支えていく。

そのおかげ武器を得ることができた長州藩は「第2次長州征討」で、幕府軍に勝つことができたのでした。

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紫蘭