豆知識・雑学

食べ物雑学・豆知識七連発!ポン酢の「ポン」とは?「パン」は英語じゃない?

毎日何気なく食べている身近な食べ物の中にも「へえ!そうなんだ!」と思わず唸ってしまいそうな雑学・豆知識がたくさん隠れています。この記事では、普段よく食べている食べ物の名前や歴史にまつわる様々な雑学・豆知識を一挙ご紹介。ご家族やご友人との楽しい食事の席に是非もう一品、食べ物雑学を添えてみてください。

あなたはいくつ知ってる?身近な食べ物の雑学・豆知識

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普段よく食べている身近な食品・食材の名前や由来、気になったことありませんか?日本人なら誰でも知っているような、スーパーやコンビニでおなじみのあの食材にも、ちょっとした話題になりそうな面白雑学が潜んでいるものです。今回はそんな定番食材の名前の由来や誕生秘話を集めてみました。食べ物の雑学、思った以上に奥が深いです。

#1 ポン酢の「ポン」とは外来語?柑橘類のこと?

和の食卓に欠かせない調味料・ポン酢。濃い味付けの肉料理や油ののった魚との相性も抜群で、減塩やダイエット目的で冷蔵庫に常備している人も多い人気者ですが、ではポン酢の「ポン」っていったい何なのでしょう?考えてみれば不思議な名前ですよね。

ポン酢とは、ダイダイやユズ、スダチ、カボスなど柑橘類の果汁を絞って作ったものです。

主に九州地方で作られている「ポンカン」という柑橘類があるので、これがポン酢の名前の由来かと言われることも多いのですが、ではポンカンの「ポン」は?結局、「ポンって何?」という疑問だけが残ってしまいます。

実は「ポン」とは外来語なのです。オランダ語の「pons」という言葉がもとになっていると言われています。

ポンスとは柑橘の果汁を表す単語で、現在ではほとんど使われていない古い言葉。その昔、ブランデーに柑橘類の果汁や砂糖、スパイスなどを混ぜた飲み物を「ポンス」「パンチ」などと呼んでいたのだそう。この単語が発展し、果汁のことをポンスと呼ぶようになったと考えられています。

では「pons」とは?インドの地名「Ponna」に由来するという説もあれば、サンスクリット語で「5」という数を表す「Panc」という単語であるとも……。とにかく、古くから使われていた単語が果汁を使った飲み物の名前としてヨーロッパに広がり、オランダを通じて江戸時代の後期に日本に伝わります。

江戸時代の日本では、いろいろなものを混ぜたお酒として「ポンス」と言葉が使われていました。ここから徐々に「ポン」と短く呼ばれるようになり、酢とくっついて「ポン酢」という調味料名が誕生したのです。

#2 グリーンピースとエンドウ豆……実は同じもの

シュウマイの上にちょこんと乗っていたり、ピラフやカツ丼に色を添えたり、ステーキやハンバーグの付け合わせになったり、鮮やかな緑色で食卓を盛り上げてくれるグリーンピース。冷凍食品や缶詰があるので一年中いつでも手に入るしお弁当の彩りにもピッタリ!忙しいママさんの強い味方でもある食べ物です。

ところで、グリーンピースとは一体、どんな豆なのでしょう?

グリーンピース(英語ではgreen pea)は青実用エンドウとも呼ばれています。「グリーンピース」という植物が存在するわけではなく、一般的に「エンドウ豆」と呼ばれている、マメ科エンドウ属の一年草「エンドウ」という植物の種子を、未成熟な状態で収穫したものなのです。

エンドウ豆は多彩な豆。まず芽の状態で「豆苗」としてスーパーの店頭に並びます。次に、サヤ(莢)の中の豆がまだ小さい状態のときに「さやえんどう」「絹さや」といった名称で食卓に。豆が丸く青々としてきた状態でサヤから取り出したものが「グリーンピース」。そして、完熟した状態の豆が「エンドウ豆」として流通します。

どの程度成長したらグリーンピースと呼ぶようになるのか、明確な定義はないようですが、とにかく、グリーンピースとエンドウ豆は、もともとは同じ豆なのです。

エンドウ豆は古代オリエント時代、紀元前6000年頃からあったと考えられています。一説には、中国(漢王朝時代)にこの豆を輸出していた「大宛国(だいえんこく・現在のウズベキスタン周辺)」から「宛の豆→宛豆→えんどう」と呼ばれるようになった、とも。グリーンピースと聞くとモダンで現代的な感じがしますが、実はとても古い歴史を持つ食べ物だったのです。

#3 マスクメロンの「マスク」は「仮面」ではなく「musk」

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今も昔も変わらず、高級品としてフルーツ界のトップに君臨する「メロン」。特にマスクメロンは、おもてなしデザートやお見舞いの品として多くの人に選ばれる果物です。

マスクメロンは英語で「muskmelon」と書きます。マスクメロンの「マスク」を、仮面(mask)のことだと勘違いしがちですが、実は仮面ではなく「ムスク(musk)」、つまり「麝香(じゃこう)」のことなのです。

ムスクとはジャコウジカの雄の分泌物を乾燥させて作った香料のこと。甘く強い香りを放ち、古代インドや中国、アラビアなどで数千年前から使われていたと考えられています。マスクメロンは、このムスクのような強い香りを持っているところから、このような名前が付けられたのです。

香りだけでなく、果肉も果汁にも芳醇な甘さを持つマスクメロン。表面の網目が太くしっかりと盛り上がっているものほど高値が付くと言われています。

実はあの網目、メロンの表面に生じたひび割れから染み出した果汁なのだそうです。

マスクメロンは表面の皮より内側のほうが成長が早く、成長すると果実のほうが大きくなって表面にひびが入ります。ひび割れてできた隙間を、染み出した果汁が固まってふさぐ。これがマスクメロンの表面の網目の正体なのです。

もちろん、網目がしっかりしているほうが見た目もよく高級感が増します。そしてそれと同時に、手をかけて丁寧に育てられたマスクメロンは網目がきめ細かくしっかりと盛り上がっていて、内側の果実が十分育っていることを表しているのです。

#4 イクラは日本語ではなく実はロシア語

薄切りキュウリを従えて軍艦巻きの上に鎮座……すしネタとして不動の人気を誇るイクラ。まるで宝石のようにな美しさと華やかさで、和食やイタリアン、フレンチなど様々な料理を華やかにするスター選手です。

「イクラって漢字で書くとどんな字なの?」そんな疑問を持ったことはありませんか?

いえいえ、イクラには漢字はありません。

イクラ(ikra)とは、もともとロシア語の単語であって、日本語ではないのです。

ご存じのように、イクラはサケの魚卵で、薄い膜を取り除いて卵を1粒ずつに分けたもののこと。料理には主に、塩漬けやしょうゆ漬けになったものが使われます。膜を取り除かず卵が連なった状態のものが筋子(すじこ)です。

そしてロシア語で「イクラ」とは「魚卵」または「小さな粒状のもの」という意味の言葉。ロシアではサケだけでなく、キャビアやタラコも「イクラ」と呼ぶのです。

日本に「イクラ」という単語が入ってきたのは日露戦争の頃であると考えられています。20世紀初頭、ロシア人たちがキャビア代わりにサケの魚卵を「イクラ」と呼んで食べているのを見て、この呼び方を取り入れたのが「イクラ」という呼び方の由来。以来、筋子状態のものと区別する意味もあって「イクラ」という呼び方が全国に広まっていったものと考えられています。

#5 オクラも日本語ではなく実は英語

「オクラって漢字で書くとどんな字?」答えは「秋葵」または「陸蓮根」ですが、実はこれは後からあてた漢字で、オクラもイクラと同様、日本語ではありません。「オクラ(okra)」は英語なのです。

もともとはアフリカ北東部など熱帯地域に生息する植物で寒さに弱く、四季のある日本では冬を越すことができず、一年草に分類されています。okuraという名前は、原産地域での呼び方(地名であるという説もあり)から付けられたものなのだそうです。

食材としての歴史は古く、エジプトでは2000年以上前から栽培されています。近代に入ってから、アフリカ系の人々によってアメリカ、南米などにもたらされ、やがて世界中に広まっていきました。

オクラには近年特に注目されているネバネバ健康食品。ペクチンなどの食物繊維が豊富に含まれており、カリウムやビタミン類など現代人に不足しがちな栄養素にも恵まれています。

「秋葵」という漢字から連想されるように、オクラはアオイ科の植物です。アオイ科の植物にはハイビスカスやフヨウ、タチアオイなど背が高く伸びて華やかな花を咲かせるものが多いですが、オクラも同様で、放っておくと2メートルほどの高さにまで成長して、中央が赤く大きな花びらを持った黄色い花を咲かせます。オクラの花は早朝に花開き昼頃にはしぼんでしまうのですが、見かける機会があったら是非注目を。大輪でなかなか見ごたえのある花を咲かせます。

オクラの中には、花の部分を美味しく食べられるよう品種改良されたもの(花オクラ)もあるのだそうです。

#6 日本で「ジュース」とは「100%果汁」のこと

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健康のために、食事時や仕事の合間など、日ごろから積極的に野菜ジュースやフルーツジュースを飲んでいる、という方も多いと思います。

コンビニやスーパーにもジュース専用の棚が設けられるほど、最近では野菜ジュースやフルーツジュースの種類が豊富で、選ぶのに困ってしまうほどです。「どうせ飲むならビタミンや食物繊維がとれるものを」と手を伸ばす人も多いのではないでしょうか。

ところで、コンビニやスーパーでジュースを選んでいるとき、パッケージを見て何か気づくことはありませんか?ペットボトルのラベルやパックの表面に、みずみずしい果物の絵が描かれているものが多いと思いますが、実はジュースの絵柄にはちょっとした決まりごとがあるんです。

ジュース(juice) とは一般的に、果物や野菜の汁を表す英単語。日本の食品表示基準では「まじりっけなしの100パーセント果汁」だけが「ジュース」と名乗ってよいことになっています。

つまり、コーラやサイダー、オレンジ果汁10パーセントの飲料などは、「ソフトドリンク」「清涼飲料」「果汁入り飲料」「飲料」などの名称で呼ばれることはあっても、「ジュース」ではないのです。

これは、1967年に改定された「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」に記されています。果汁を含んでいないのにあたかも果物から作ったかのように売られている商品があったため、定義を設けて明確な線引きをしたようです。この中に「果汁100パーセントのもの以外は『ジュース』という名前で販売できない」と記されています(トマトジュースや野菜ジュースなど一部例外あり)。

この基準には、材料だけでなくパッケージの絵柄についても規定が設けられています。

まず、果物の断面や果汁のしずくの写真や画像を使ってよいのは100パーセントのジュースのみ。100パーセントでない果汁飲料は、果物そのものの写真や画像はOKですが断面や果汁を描いたらダメ(デフォルメしたイラストなら多少OK)……。そんな決まりがあるのです。

100パーセント果汁じゃないのに「果汁たっぷり!」みたいな演出はNGよ、ということなのでしょうか。

コンビニやスーパーでジュースを見かけたら、ぜひパッケージにも注目をしてみてください。

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