ガダルカナル島の戦いの背景
日本から遠くはなれたガダルカナル島。なぜ、日米両軍はガダルカナルで戦うようになったのでしょうか。その背景には、太平洋に進出する日本軍と、ミッドウェー海戦以後、日本に反撃するアメリカ軍の双方の戦略がありました。開戦当初の真珠湾攻撃や南方作戦、ミッドウェー海戦についてまとめます。
真珠湾攻撃とマレー沖海戦
1941年12月1日、日本政府は御前会議によりアメリカ・イギリスなどの連合国と戦う決定を下しました。海軍はアメリカ・イギリスに打撃を与えるため、ハワイの真珠湾とシンガポール周辺のマレー沖でアメリカ・イギリス海軍を撃滅する作戦を立てます。
1941年12月8日、南雲忠一中将率いる連合艦隊機動部隊は、ハワイの真珠湾に停泊していた太平洋艦隊を奇襲攻撃し、大損害を与えました。2日後の12月10日、日本海軍航空隊はイギリス艦隊をマレー沖海戦で撃破します。
真珠湾攻撃とマレー沖海戦での勝利は、西太平洋における日本の圧倒的優位を意味しました。アメリカ・イギリスの主力艦隊に大ダメージを与え、制海権を手にした日本軍は中国南部や東南アジア各地を占領すべく、南方作戦を展開します。
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順調に展開する南方作戦
開戦直前、日本の陸海軍は「南方作戦陸海軍中央協定」を策定しました。作戦名は南方作戦です。攻撃目標はフィリピン、マレー、オランダ領東インド（インドネシア）、グアム、ボルネオ、香港、ビスマルク諸島。非常に広範囲に及ぶ作戦です。
真珠湾攻撃とマレー沖海戦の勝利により、日本軍の展開はとても容易になりました。日本軍第25軍はイギリスの最重要拠点シンガポールを攻撃し陥落させます。また、日本軍はフィリピンにも進撃し、アメリカ軍司令官マッカーサーを国外に追いやりました。
くわえて、マレー半島全域やインドネシアなども占領することに成功します。これにより、南方作戦の目的であった資源地帯の確保に成功しました。開戦前、アメリカによる石油の禁輸措置に苦しんでいた日本は一息つけるようになります。
戦局の転換点となったミッドウェー海戦の敗北
ミッドウェー作戦実行の背景には、1942年4月18日に起きたドーリットル隊による空襲がありました。アメリカ軍による日本空襲を阻止するためにも、ミッドウェー島を占領すべきだとする意見が強まります。
1942年6月、南雲機動部隊は主力空母4隻を中心とする部隊でミッドウェー島攻略に乗り出しました。しかし、南雲機動部隊によるミッドウェー攻略作戦を事前にアメリカ側が把握。それに備えて、アメリカも空母艦隊を出撃させていました。
6月5日、南雲機動部隊はミッドウェー島を空爆します。ところが、思いのほか島の守備隊の抵抗が強く、再度の空爆が必要となりました。南雲機動部隊の注意がミッドウェー島に注がれていたとき、アメリカ軍機動部隊が南雲機動部隊を襲います。南雲機動部隊は主力の空母4隻を失う大敗を喫しました。
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ガダルカナル島とその周辺海域での戦闘経過
ミッドウェー海戦後、徐々に太平洋での制海権を取り戻すアメリカ。次の反攻の場に選んだのはオーストラリア東方にあるガダルカナル島です。ガダルカナル島に狙いを定めた理由は、日本が意図したアメリカとオーストラリアの分断を阻止するには、ガダルカナル島を奪取し飛行場を建設するのが得策と判断したからでした。1942年8月に始まったガダルカナル島の戦いは、翌1943年2月まで続きます。
日本軍による米豪遮断作戦
太平洋で戦線を拡大した日本は、アメリカとオーストラリアの連携を遮断するため、米豪遮断作戦を計画しました。ニューカレドニア、フィジー、サモアを攻略または破壊することで、両国の連携を阻止しようとするものです。
陸海軍で合意した当初の作戦では、空母を中心とする機動部隊を作戦に投入する予定でした。ところが、ミッドウェー海戦の敗北により日本海軍は主力空母を失ったため、空母の代わりにソロモン諸島に飛行場を建設し、制空権を確保しようと考えます。
日本軍はニューブリテン島のラバウル以南に航空隊を設置し、ソロモン諸島の制空権を確保することをめざしました。そのためにつくられたのがガダルカナル島の飛行場だったのです。
連合軍のガダルカナル島上陸
日本軍がガダルカナル島に飛行場を作っているとの情報が連合軍にもたらされると、連合軍は建設中の飛行場を奪取し、アメリカとオーストラリアを結ぶルートをより強固にしようと考えます。
1942年8月7日、アメリカ海兵隊第一海兵師団10,000人余がオーストラリア軍の支援を受けつつ、ガダルカナル島に上陸しました。日本軍守備隊はアメリカ軍の動向を察知することができず、アメリカ軍の奇襲を許してしまいます。
アメリカ軍は陣地すらまともに構築されていない建設間近の飛行場を制圧。日本軍守備隊はジャングルの中で態勢を整えました。しかし、彼らに残された食料はわずかに7日分です。アメリカ軍の奇襲により、食糧や大砲、銃弾などの多くを奪われていたからでした。
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