ロシア革命のきっかけとなった血の日曜日事件とは？詳しく解説

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血の日曜日事件以降のロシア革命の主要な事件

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ロシアは、ヨーロッパ的な絶対君主制が18世紀半ばまで続き、産業革命も遅れて、ヨーロッパでは後進国となっていました。そのため、農民や労働者の生活が悲惨なものになっていたことから、ロシアの近代化を求める動きの発端として「血の日曜日事件」が起こってきたのです。

すなわち、血の日曜日事件は、ロシア革命の最初のきっかけとして日露戦争のさなかに起こった事件でした。この事件の後、ロシアでは革命への動きが加速していきます。その主な動きを見ていきましょう。

ロシア第一革命の発生_ロマノフ王朝の崩壊

ニコライ2世は、血の日曜日事件後の批判によって議会の開設に同意して、皇帝の独裁権力に制限が加えられることになりました。しかし、農民、労働者の反政府運動は、第一次世界大戦が始まると、戦争への動員などで生活がさらに苦しくなって、抗議運動はさらに激しくなります。すなわち、ドイツとの戦争は国を挙げての総力戦になり、国民は苦しい生活を余儀なくされたため、1917年に食糧危機がささやかれるとゼネストが起こったのです。

新しく開設された議会では、ゼネストを背景に、資本家や地主などに支持された立憲民主党や穏健派と言われた社会革命党が主導権を握りました。そして、皇帝を排して臨時政府を組織することになります。ここに、ついにロマノフ王朝は崩壊してしまったのです。これを3月革命といい、ロシア第一革命の成立となりました。

ロシア第二革命の成立_ソビエト政権の樹立

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この新しい臨時政府は、国民の要求にこたえることはできませんでした。ロシアの帝政に苦しめられてきた国民や多くの諸民族は、穏健な政治改革がおこなわれても、資本家や地主優先の政策のため、苦しい生活から抜け出すことができなかったのです。

この状況を見た後に共産党となるボリシェビキ(ロシア社会民主労働党)を率いるレーニンは、チャンスととらえました。労働者、農民に対して現状を打開するためには社会主義革命が必要だと説いて、臨時政府を倒してソビエト政権を樹立したのです。

これを十一月革命、あるいはロシア第二革命と言います。レーニンの新政権は、「平和に関する布告」と「土地に関する布告」出して、憲法制定議会を開きますが、そこで第1党になったのは社会革命党でした。そこで、レーニン率いるボリシェビキは、同じ11月に強引に議会を解散し、一党独裁体制に移行します。

ロシア全体が一つになっていたわけではなかった

社会主義革命には労働者、農民が参加していましたが、実際にはすべての人が革命を支持していたわけではありませんでした。しかし、レーニンは強引に共産党一党独裁体制に移行させて革命を完成させたのです。それは、ロシア第三革命とも呼ぶべきものでした。

一般的には、いきなり社会主義革命が成立したように思われていますが、実際には何段階にもわたる革命の波の中で成立しているのです。

なお、「和に関する布告」は無併合・無賠償の第一次世界大戦の講和を言い、「土地に関する布告」は共産主義として土地を国有化するものでした。

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最終的に血の日曜日事件はソビエト連邦(ソ連)で革命を完結させた

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レーニンはボリシェビキを共産党と改称し、第一次世界大戦で戦っていたドイツと広大な領土の割譲を含んだブレスト・リトフスク条約を結んで戦争から手を引きます。これにより、国内の反共産主義者の一掃による国内体制の確立に注力することになったのです。

また、国内の反共産主義者や諸勢力との内戦に対して、欧米諸国や日本からシベリア出兵がおこなわれましたが、共産政権は赤軍と呼ばれる軍事組織を作りって対抗します。そして、1922年までにすべて鎮圧して、正式にソビエト社会主義共和国連邦(ソビエト連邦)が成立したのです。

血の日曜日事件の起こった1905年からソビエト連邦成立まで、実に17年間を擁しています。

市民革命の血の日曜日事件からソビエト連邦へ

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欧米では市民革命は17世紀から18世紀に起こっていますが、産業革命が遅れたロシアでは20世紀初頭になってようやく血の日曜日事件をきっかけとして実を結びます。しかし、ヨーロッパ諸国のように資本主義が定着し、民主主義が主流になったのに対して、国民の不満が長く蓄積していたロシアでは社会主義革命につながりました。また、血の日曜日事件による影響は、中国の清王朝の崩壊につながる孫文の辛亥革命にも大きな影響を与えたと言われています。

社会が大きく変革するにはやはりたくさんの血を流す必要があるのでしょうか。日本でも、明治維新では多くの血が流されています。もっと平和裏に社会変革がおこなわれることを祈りたいですね。