戦争が起こるまでのあらすじ
第二次世界大戦において最大の戦争となった独ソ戦(ドイツ側は東方戦線、ソ連側は大祖国戦争と呼んでいます)。この戦争が起こった背景にはドイツを牛耳った独裁者ヒトラーの壮大な計画がありました。
東方に執着していたヒトラー
独ソ戦が起こった最大の原因はヒトラーという人物が東方に領土拡大していきたかったことにあると思います。
まず、ナチスドイツという国自体がソ連のイデオロギーとしていた社会主義に真っ向から対立していた立場にありました。特にヒトラーはユダヤ人と並んでスラヴ人を人類の敵、ゲルマン人の敵としてみており、この人種を徹底的に駆除してスラヴ人が住んでいるロシアの広大な土地にゲルマン人による大帝国を築こうとしていたのです。このことはヒトラーの著書である『我が闘争』にも書かれており、このことがナチスドイツを独ソ戦へと突き進めた要因でした。
このことを東方にゲルマン人の住む地域を手に入れるということで東方生存圏と言ったりしています。
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東に領土を拡大するヒトラー
ヒトラーが政権を握った1933年からドイツは東に向かって徐々に領土を拡大していきます。
ヒトラーは1938年にヒトラーの故郷であるオーストリアを併合(アンシュルス)。さらに同年9月にはチェコスロバキアのドイツ人居住地域であるズデーテン地方の割譲を政府に要求。ミュンヘン会談が開かれこの地域を獲得し、1939年にはチェコスロバキア自体も併合しました。
チェコスロバキアとオーストリアを併合して徐々に勢力を広げていったのですが、この頃までイギリスとフランスはドイツの動きを黙認していました。
これはイギリスとフランスが第一次世界大戦によって多数の犠牲者を出したことによって戦争をなるべく回避していこうと考えていたのもあるのですが、それ以上にドイツをソ連の防波堤にしようと考えていたことにありました。ドイツはソ連のことが大嫌い。これを使ってなるべく国内で広めたくない社会主義を抑えようと考えていましたが、1939年にこの考えを大きく変える一大事が起こってしまうことになるのでした。
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