足利義昭が画策した「信長包囲網」とは？わかりやすく解説

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織田信長は戦国時代を終わらせた戦国武将として有名ですが、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。京に上洛し、足利義昭を室町将軍に据えてからは、義昭が各地の大大名たちを煽って信長包囲網を作ろうとしたことから、信長軍団は各地で戦いをせざるを得なかったのです。それらの包囲網を突破して信長は天下に手が届くところまでいっています。この信長包囲網について解説します。

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信長包囲網とは_足利義昭の画策

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戦国時代末期に現れた希代の武将織田信長は、彼の性格もあって敵も多く、一時は四面楚歌の状態の時期もありました。いわゆる信長包囲網と言われたように、織田信長を取り囲むように大物戦国大名たちが各地で織田軍団と戦いを繰り広げたのです。さらに、関西の摂津にいた荒木村重のように誘いに乗って信長に叛旗を翻すものまで現れました。

そのような状況を作り出した張本人は、信長によって希望通り足利将軍に就いた足利義昭だったのです。義昭は、自分が征夷大将軍として天下に号令をかけられると思っていましたが、信長にとっては単なる飾り物に過ぎず、実権は信長が握っていました。そのため、義昭は周囲の明智光秀や細川藤孝に不満を漏らすとともに、各地の大大名たちに、上洛して信長を討つように書状を出したのです。

織田信長にとっては、地位には関心がなく、天下布武、すなわち、武力で天下を平定して天下統一を果たすことしかありませんでした。足利義昭の各地の大大名たちに対する書状には腹を立てて、義昭に警告しますが、もともと武力平定を目指す信長にとっては望むところだったかもしれません。

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足利義昭が書状で誘ったのは大名だけではなかった

しかし、足利義昭が書状を出した相手は大名たちだけではありませんでした。本願寺派と言われる親鸞を祖とする真言宗徒を率いる一向宗にも信長への抵抗を訴えたのです。そのために、大坂の石山本願寺を率いる顕如、北陸の一向宗徒、伊勢の一向宗徒などに信長は苦しめられることになります。さらには、比叡山延暦寺の法主(天台座主) 応胤法親王なども浅井・朝倉勢をかくまったりしました。

それによって、信長の日本の仏教に対する不信感が生まれ、ついには比叡山延暦寺の焼き討ちにまでつながっていったのです。

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斎藤龍興を滅ぼして岐阜城に入った信長と足利義昭の出会いが始まり

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織田信長と足利義昭の出会いは、信長が美濃の斎藤龍興を滅ぼして岐阜城に入ったことから訪れます。当時、朝倉義景の元に身を寄せていた足利義昭の家臣になった明智光秀は、義昭の希望によって信長の元を訪れ、義昭を伴って上洛し、義昭を足利将軍にしてほしいと訴えたのです。

天下に対する野望を持ち始めていた信長にとっては絶好の機会でした。当時の京の都には有力大大名はおらず、三好氏などの古くからの幕府重臣の大名たちが権力争いをしており、彼らを征伐すると言う名目を義昭は与えてくれたのです。こうして、信長と義昭の同床違夢の旅が始まりました。

上洛した信長に待っていたもの

信長が足利義昭を立てての上洛には、京の都や近江で権力争いの権謀術策に明け暮れていた三好氏、京極氏、赤松氏や松永弾正などには寝耳に水でした。早々に信長軍に掃討されるか、松永弾正のように信長の傘下に入るかになったのです。そのために、足利義昭はすぐに征夷大将軍になることができました。

朝廷は信長にも官位を与えようとしますが、信長は断ります。信長は、実力もない連中の権力争いには興味はなく、いよいよ天下布武への野望を膨らませたのです。

足利義昭の反発による裏切りが波乱を呼ぶ

足利義昭は、征夷大将軍として天下に号令できる権力を望んでいました。しかし、信長は、官位を売り物に武士を操ろうとする権力には興味はなく、義昭は単なる飾り物に過ぎなかったのです。そのような信長の態度に義昭が反発します。

すでに信長の家臣になっていた明智光秀や細川藤孝に不満を漏らすとともに、日夜各地の戦国大名たちに書状を書き始めたのです。戦国最強と言われた武田信玄、上杉謙信はもちろん、毛利輝元、朝倉景勝らの他、本願寺勢力ともよしみを通じようとしました。その結果、真宗大谷派11代門主であった顕如が石山本願寺に立てこもり、信長に対する抵抗を始めたのです。

この石山本願寺の抵抗は、信長が上洛してから最初の大きな抵抗となり、その平定に多くの家臣と時間が費やされました。その途中には荒木村重などの叛旗も起こったのです。石山本願寺に対しては、足利義昭から書状を受け取った毛利輝元以下の中国勢が瀬戸内を船で武器や食料を支援していました。

また、上杉謙信は上洛を断ったものの、信長に対しては越中で信長軍と対峙して、進出を許しません。関東では、北条氏政が上杉との戦いの中で、織田信長征伐には興味を示しませんでした。