室町時代戦国時代日本の歴史

【戦国時代】下克上を成し遂げた4人の梟雄を解説

戦国時代において一番欠かせないのが下の者が上の者を倒すという下克上ですよね。 その通り、戦国時代では下の者がクーデターを起こしたり、戦争をふっかけたりしたことによってその地の大名までに成長することが数多くありました。 そこで今回は下克上についてとその下克上の中でも特に華麗だった4人の戦国大名について見ていきたいと思います。

そもそも下剋上とは?

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よく戦国時代のゲームをやっているとよく耳にする下克上。しかし、下克上とはどんなものかとなると簡単には説明できるものの、詳しくは説明できないということがしばしばだと思います。そこでまずは下克上とはどんなものなのかを見ていきましょう。

下克上とは守護大名を倒したことがほとんど

下克上という言葉の由来は読んで字のごとく「下位のものが上位に克つ」と読めるように下の人が上の立場の人を倒して実権と権威を握り支配者となるという意味の言葉です。まぁ、それぐらいならわかるかもしれませんが、日本の場合だとこの下克上という言葉は戦国時代しか使いませんよね。実は日本における下克上とは守護大名(もしくは守護代)を倒した人の事を指すのでした。

守護大名は聞いたことがあるかもしれませんが、この大名は室町幕府から地方の自治を任せられた大名の事です。細川京兆家、山名家、斯波家などがこの守護大名の代表格としてあげられますが、そんな守護大名の立場が弱くなって下克上が増えたきっかけといえばやはり秩序が大いに乱れる戦国時代の始まりを告げた応仁の乱でした。

応仁の乱によって各地の守護大名が京都に出陣するようになり、その中で守護大名が領地としていた地には守護代が代わりに領地経営をしていくことになるのですが、守護代たちは各地の領地にいた武士たちをひきつれるようになります。こうして力を付けた守護代が応仁の乱の後にヘトヘトとなって帰っていたところに守護大名に対して謀反を起こせばこれにて下克上は達成。守護大名は隅に追いやられて代わりに守護代が戦国大名として領国を支配するようになったのでした。

これを見たら分かる通り、戦国時代の場合の下克上は実際には守護代が守護大名に謀反を起こして行うというのがオーソドックスなものだったそうで、みなさんがご存知の戦国大名のほとんどがこのパターンでした。(例:朝倉家・浅井家・長尾家・織田家)

さて、この通り日本における下克上の風潮は守護代によって行われたものがほとんどだったということが分かった上で次はそんな下克上の中でも特に壮絶であった戦国大名について見ていきましょう。

戦国三大梟雄

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さてついにその下克上をした大名の中でも特に過激であり、本当に下の立場から戦国大名まで成長した4人の武将について解説したいと思います!

#1 斎藤道三【油売りから美濃の大名になった男】

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まず最初にご紹介する戦国大名は美濃の蝮と恐れられた斎藤道三です。斎藤道三といえば信長の正室であった濃姫の父というイメージが強いですが、実はこの男は信長もびっくりの簒奪を行なっていたのでした。まず最初はそんな下克上の代名詞の一つとも呼ばれている斎藤道三の下克上についてみていきましょう。

僧侶、油商人から土岐家の家臣へ

斎藤道三の出自はよく分かっておらず、一説によれば京都の妙覚寺の僧侶だったとも言われています。そんな道三ですが僧侶としての生活を送っていたある日友達が美濃のとあるお寺の住職になる事に。道三はこれを機に何か一山当てようと僧侶をやめて還俗。僧侶の身を捨てて父子で美濃へと向かいました。そしていろいろあって油商人の娘と結婚し自身も油商人としての生活を送ることになるのですが、その油商人のパフォーマンスがとてもうまく、書物によると道三は当時のお金にあった穴に油を通して売るというパフォーマンスをしていたそうな。

そんな達人の技のようなパフォーマンスを一回見てみたいものですが、これによって道三の油は一躍美濃の間で有名となり、それを聞きつけた当時の美濃の守護大名土岐家の守護代であった長井家の家臣となり無事に武将としての地位を築き上げたのでした。

美濃の国盗り

こうして守護代の家臣となった斎藤道三。しかし、彼の野望はとどまるところを知りませんでした。道三は自身を家臣にしてくれた長井家の当主を討滅。自らの才能で守護大名土岐家の家臣へと出世していき、この時ついに斎藤という名字を名乗るようになります。さらに道三は土岐家の家督争いにも介入。最初は土岐頼芸を擁立していましたが、この家督争いもひと段落すると逆に道三は頼芸を攻め美濃から追放。土岐家を実質的に滅ぼしてついに道三は美濃一国を手に入れ下克上を成し遂げたのでした。

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