ヨーロッパの歴史

「国際連盟」とは?なぜ崩壊した?失敗の要因をわかりやすく解説

国際連盟の反省による第二次世界大戦後の国際連合の成立

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第二次世界大戦は結局、三国同盟側の敗戦になりますが、先勝国側では、国際連盟が戦争を止められなかった反省から、新たな世界平和の維持機関として国際連合を設立します。国際連盟の致命的な欠陥となった全会一致主義をとらずに、多数決を原則として、強い権限を持つ安全保障理事会を設けたのです。

しかし、この国際連盟も順調に進みませんでした。その原因には、安全保障理事会には先勝国から選ばれた常任理事国が設けられ、この常任理事国には案件に対する拒否権を持つことになったからです。

東西冷戦の発生による国連安全保障理事会の無力化

第二次世界大戦後、ヨーロッパの西側諸国と東側諸国が対立し、東西冷戦が生じることになったのです。これらの現象に対して、国際連合は無力でした。安全保障理事会の常任理事国に、共産主義陣営のソ連が入っており、アメリカとソ連はことあるごとに対立して拒否権で統一見解を出させることを阻止したのです。

地域戦争(紛争)を止められない国際連合

そのために、国際連合は、朝鮮戦争、ベトナム戦争などを阻止できず、キューバ危機などにおいては、核戦争の危機が現実のものとなったのです。幸い、核戦争は回避されていますが、今後世界規模の戦争が起これば、核兵器の使用が危惧されています。また、フランス、中国、インド、パキスタンなどに見られるように、新たな核兵器保有に対して、国際連合は止めることはできていません。現在でも、北朝鮮やイランの核開発に対して国連は無力であり、当事者間での危うい調整に依存しているのです。

共産国家の代表であったソ連が崩壊し、東西冷戦は実質的には終わりましたが、それでも国際連合はその機能を復活させられずにいます。その結果、私たちはいつ、戦争が起こるかわからない世界におかれているのです。

国際連盟の反省を活かし、戦争を回避しなければならない現代

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現代は、不安定な国際秩序の中に置かれており、いつ戦争が生じてもおかしくない時代に生きています。現代では、核兵器という、地球さえ壊しかねない恐ろしい兵器が開発されているのです。従って、かつての国際連盟が崩壊したような事態は絶対起こしてはいけません。私たち一人一人が平和について真面目に考えていかなくてはならないのです。

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