平成20年〜平成25年【ソーシャルメディアの発達】
人々の暮らしの変化を語るにはソーシャルメディアの発展を欠かすことはできません。スマートフォンの普及やSNSの発達などもあって個人が手軽にいろんなことを発信できるようになり、人々の意識や生活が大きく変化していくことになります。
ソーシャルメディアの発達
2006年にYouTubeが稼働。その翌年にはニコニコ動画が運営が開始され、いわゆるソーシャルメディアの勢いが増し始めることとなります。
今でこそYouTubeなんかは生活の一部になりつつあるメディアに成長していくことになるのですが、初期の頃はパソコンを持っている人が楽しむためのもの。スマホもない時代ですから子供が見ることはほとんどありませんでした。
しかし、ソーシャルメディアはどんどん発展。小学生や中学生にまで誰でも楽しめるメディアに発展していくようになり、文化・経済・さらには社会にまで発展していくことになります。
さらにはSNSの勢いが顕著になったのもこの頃。FacebookやTwitterなどといった誰でも個人発信できるようになるメディアが誕生したことによってインターネットで世界中がつながっていくこととなるのです。
スマートフォンの発売と一大変革
TwitterやFacebookの勢いをさらに増すことになるのが2008年にApple社が発売したiPhoneでした。
携帯自身はiモードやお財布ケータイなどといった形で日本では独自に発展を続けていましたが、このスマートフォンは携帯の機能を備えながらパソコンと同じようにメディアを扱うことができるようになり、携帯というよりはパソコンを小型化にしたようなものとして人々に浸透し始めていくこととなります。
このスマートフォンは様々な文化的な面で一大変革を巻き起こすこととなり、書籍や雑誌のネット配信も本格化。若年層を中心に「LINE」などが広く普及し、これまでメールだったものがSNSに変化していくようになりコミュニケーションの形態を大きく変えることとなります。
さらには最近ではキャッシュレスといった形で財布を持たなくてもスマホで決済を行えるようになり、財布を持ってなくてもお買い物ができるという時代に。ネットでの通販も進化を遂げていくようになりわざわざ店に行かなくても簡単に自宅で受け取れるシステムが完成したのです。
メディアから個人発信へ
こうしてスマートフォンが普及し始めていくと、それに乗じてTwitterやFacebookなどといったSNSで情報発信していく人が増えていくようになります。
例えば政治的な面としてもSNSを通じて自分の主義主張を訴えることもできるようになり、これまでメディアが担ってきた情報発信が個人によって個人の知識や見解で簡単に発信できるようになったのです。
一見するとたいしたこともないように思えますが、個人発信ということは政府に支配されているメディアを関係なくすという効果が生まれ、SNSを通じて民主化運動を起こしていく人が続出。例えば2011年にはチュニジアにてジャスミン革命が起こり長年続いた独裁体制を打倒するなどSNSで広まった動きが国の構造をひっくり返してしまうことも。いわゆるアラブの春が起こり北アフリカなどでは個人が個人の言いたいように発信していくという新しい流れで古い体制を打倒しているのです。
SNSの課題
このように個人の主義主張が簡単に言えるようになった現代社会で問題になりつつあるのがデマの問題。
個人のデマなら一昔であれば頑張っても自分の周辺で限界を迎えますが、全世界に発信することができるSNSであればそのデマを信じてしまう可能性のある人が全国規模で現れることとなるのです。
その結果デマが原因で大混乱になることが多くあり、例えば2016年の熊本地震の際には獰猛な動物が逃げ出したという嘘の情報を流したことによって逮捕されるケースが続出。
さらにはSNS上で犯罪行為をのせてしまういわゆるバカッターの問題もあり、個人の単なるいたずらが周辺の人や企業に被害を被らせてしまう迷惑な事例も増えつつあります。
SNSはこれまで非力であった個人の力を国が混乱するまでの権力を与えることができるものでもあるのです。良い方向に使えば良い結果が待っていますし、悪い方向で使えばもちろん悪い結果が待っています。
個人の力が強くなった今だからこそ、自分自身の道徳観をきっちりしとかなければなりませんね。
平成25年〜平成30年【現代、そしてこれから】
30年近く続いた平成の時代。そんな平成も現上皇さまが今上天皇に譲位したことによって2019年4月30日をもって終わりを迎えることとなりました。
長いようで短かった30年の歴史。最後は平成と令和の世になった今の課題を見ていこうと思います。
変わりゆく世界、変わりゆく情報技術
世界のグローバルが進んでいく最中、いわゆる国家を優先する動きも現れていくようになります。それが顕著になって現れたのがシリア内戦による難民問題。
2011年のシリアの民主化運動が原因となって起こったシリア内戦は現在800万人以上の難民を出す事態に陥ってしまい、ヨーロッパの各国はその難民を受け入れる姿勢をとっています。
しかし、その国の国民でもない難民に税金を使うことの嫌悪感や、難民に仕事を奪われてしまう不安感などもあり難民を排斥する運動もヨーロッパ各地で起こっていくようになりました。
そんな中、2016年にイギリスにてEUを離脱する国民投票にて離脱賛成派が上回り最終的には2020年2月に脱退。ヨーロッパで行われてきた統合の道は遠くなってしまいました。
技術面では5Gと呼ばれる新しい通信技術が世界に普及。ほとんど遅延がなく情報を伝えることができるこの技術はやがて人類が想像しかできなかったようなことができてしまう未来がやってくるかもしれません。
しかし、この技術でアメリカと中国がしのぎを削るように。さらには貿易問題などで中国とアメリカの対立が激化していくようにもなりました。
様々な問題を抱えながらも世界は動いており、そして技術や社会が進歩しているのです。
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