中国の歴史中華人民共和国

中国を指導しているすごい党「中国共産党」をわかりやすく解説

中華ソビエト共和国の成立と長征

農民の支持なくして革命の実現はありえないと考えた毛沢東は1931年に江西省の瑞金において中華ソビエト共和国を樹立しました。しかし中国に共産党による国家ができることに我慢ならなかった蒋介石はこの中華ソビエト共和国を攻撃。当時トップであった毛沢東は仕方なく瑞金がら西へ西への大移動を開始しました。これをいわゆる長征といいます。

長征では国民党軍の攻撃を受けながら山という山を越えていき1935年1月に遵義に入城しました。その遵義にてこれからの中国共産党の進退を決める遵義会議を行うことになりました。この会議にで従来の共産党指導者であった秦邦憲といったもともとソ連に留学していた人たちが政治能力がないとして批判の対象となり、このころには建党当時もともといたメンバーはほとんど失脚することになり毛沢東が政治局員のリーダーに選出されたのです。

その後共産党一行は雲南省・西康省を通過しながらソ連との連絡も聞き山にも囲まれている陝西省延安に拠点を構えることで長征は終わりを迎えることになります。

この長征によって8万を越えていた共産党の勢力は数千人にまで減少するなど共産党にとって大きな打撃を受けることになるのですが、これによって中国共産党内での毛沢東の指導権が確立されていくことになり、中国共産党のこれからが決まったのでした。

西安事件と日中戦争

こうしてかろうじて延安に逃げ延びた中国共産党でしたが、このころ中国で取り巻く環境は大きく変わっていました。1931年に中国東北部の満州に日本軍が満州事変を起こし満州国を建国して実質的に支配。日中関係は大きく緊張するようになっていました。

しかし、こんな状態でも蒋介石は共産党への攻撃を続けていき、延安にもその軍勢を送ろうとしていました。こんな状態でかつて満州を支配していた張学良は1936年に西安にて蒋介石に対し国共合作を申し込むため蒋介石を監禁したのです。

蒋介石は最初は共産勢力との同盟を頑なに拒否していましたが、ソ連が仲介に入って何とか蒋介石と同盟にこぎつけることに成功。第二次国共合作を構築するようになり、延安にあった中華ソビエト共和国は中華民国陝甘寧辺区政府に、紅軍は八路軍と名前を変えて中華民国の一組織として活動を行うことになったのでした。

その後1937年に日中戦争が勃発すると中国共産党は延安を中心地として抗日ゲリラを決行。たまに日本と争いながら基本的には農村の中に潜り込み中国共産党の勢力をじわりじわりと伸ばし始めていったのでした。

国共内戦

日中戦争が始まってから8年後の1945年にようやく日本軍が全面降伏して中国内での日本の影響力が排除されると、それまで第二次国共合作で友好的となっていたとされている中国国民党との関係は日に日に悪化していくことになりました。これはやはり蒋介石が共産党を嫌っているという面もあるかと思われますがその裏には中国の親玉的存在であるソ連の後押しがあったとされています。

いちおう中国を戦後の五大国に仕立て上げたいアメリカの意向もあって内戦を回避するために毛沢東と蒋介石の会談による双十協定などでの妥協が図られましたが結局破綻。

毛沢東は国民党の打倒を目指していくようになりそしてついに1945年から国共内戦に突入することになります。

最初は国民党の優勢だったのですが、国民党の政治に不満を持っている農民やソ連の後押しを受けて中国の中でも特に栄えていた満洲を手に入れたことによって形成は逆転。

国民党軍を台湾へと追い出すことに成功し、中国共産党は1949年に北京にて中華人民共和国の建国を宣言したのでした。

中国の成立と中ソ紛争

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1949年10月1日に中華人民共和国の建国を北京で宣言。これによって中国大陸に中華民国に代わる新しい国家である中華人民共和国の建国され、中国共産党は数年前は単なる中国の一政党だったのが中国10億人を束ねる政権政党となったのです。

中国共産党は1950年から起こった朝鮮戦争に積極的に軍事介入を行い北朝鮮の立国をサポート。さらにはアメリカなどの対抗意識からかインドネシアとともアジア・アフリカ会議への参加など積極的な外交活動を行いました。

しかし、1953年にソ連の親玉であったスターリンが亡くなると中国とソ連の関係は著しく悪化の一途を辿っていくようになります。

ソ連では新しく共産党のトップになったフルシチョフがスターリン批判を行いスターリン体制を否定。

これがスターリンを信奉していた毛沢東の癪に障ることになり、さらには領土問題の関係から中ソ対立が起こることになります。

そして中国共産党は独自路線を歩み始め、地獄のような状況に突入することになるのでした。

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