オランダ以外でも外交していた国があった
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オランダばかりがスポットライトを浴びていますが、実は他の国とも外交をしています。まずは「中国」「朝鮮」「琉球王国」「アイヌ民族」ですね。中国は長崎に「唐人屋敷」を作り住んでいました。他は経由する藩があったのですね。
〇朝鮮・対馬藩
豊臣秀吉以来、断絶していた国交を徳川家康が回復。その時に仲介をしたのが対馬藩なので、仲介は対馬藩となっています。江戸時代に唯一「国交」をしていたのは朝鮮だけだったといいますね。
〇琉球王国・薩摩藩
関ヶ原の戦いで領地が狭くなったのに藩士をそのままにしたので、薩摩藩は琉球王国に活路を求めますよ。迷惑な話ですよね。それで元々他の国と貿易をしていた琉球王国を「独立国」なのをいいことに、密輸入の窓口にしていたんですね。
〇アイヌ・松前藩
徳川家康が「松前氏」に交易を独占させて「松前藩」が誕生。アイヌ民族の不利益になるような支配をしたために「シャクシャイン」を棟梁に反乱が起きますが、暗殺して反抗集団を制圧するというろくな事してませんね。
鎖国中の大事件
国立公文書館 – 国立公文書館デジタルアーカイブ、視聴草(レザノフ長崎来航), Copyrighted free use, リンクによる
江戸期の鎖国時代。いくら公式に外交を閉じていても、まわりが海ですから、外国の船が漂着したり、日本人が漂流したりと色々なことがありました。細かいものを含めたら書き切れないので、代表的なものを簡単に書いてみましょう。
VS ロシア帝国-レザーノフ事件-
寛政4年(1792)に、シベリアで漂流していた「大黒屋光太夫」ら6人を連れて、ロシア帝国の使節として陸軍中尉「アダム・ラクスマン」が来ました。漂流民の引き渡しと通商を求めてきたのですが、漂流民を受け取って、長崎への「入港許可証(信牌(しんぱい))」を渡して帰国させました。追い返したと言ってもいいでしょうね。ところがロシア側は入港許可証を受け取ったのだからと、嬉々として文化元年(1804)に外交官「ニコライ・レザーノフ」が出島に来航して交渉を行います。もちろん拒否されますよね。
実は海流のかげんかシベリアに流れ着く日本の漂流船は多く、そこから死ぬ思いで大陸を横断してモスクワに行ったそうですよ。途中で亡くなる人もいたようですね。モスクワには日本と交易がしたいために専門部所があったそうで、そこで日本語辞書や会話を勉強していたそうなんですが、流れ着く漂流民がそれぞれの方言で話すので、そのたびに書き換えていたとか。
ニコライ・レザーノフは半年間も待たされたあげくに断られたので怒り心頭となって、松前藩にある幕府駐屯地である択捉島を攻撃します。幕府も「戦だ!」とばかり東北諸藩の3000人を動員して警備したという事件でした。
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VS イギリス帝国-フェートン号事件-
レザーノフ事件から4年後の文化5年(1808)に、イギリスの「フェートン号」という軍艦がオランダ国旗を掲げて長崎にやってきます。オランダ商館もまさかイギリスとは思わず入港させたのですが、そのまま商館員2人が拉致されてしまいました。長崎奉行が人質の解放を求めますが、水と食料と薪(燃料)を求める以外の要求がありません。しかたがないので、水と食料と薪を渡すとフェートン号は人質を解放して去って行ったのですよ。責任をとって長崎奉行は切腹してしまいました。
幕府は怒って文政8年(1825)に、中国とオランダ船以外の国が近づいてきたら砲撃するという「異国船打払令(いこくせんうちはらいれい)」を発令してしまいます。これが後に大騒ぎになることになってしまったのですよ。
VS アメリカ合衆国-モリソン号事件-
「異国船打払令」が発行された12年後の天保8年(1837)、浦賀沖(現・神奈川県横須賀市)にアメリカ船「モリソン号」がやってきました。マカオを出発して日本人の漂流民7人の送還と、通商を求めることを目的できたのですが、浦賀奉行はモリソン号を見るなり「異国船打払令」の通り、話も聞かずに砲撃をはじめます。驚いたモリソン号は薩摩藩の山川(現・鹿児島県指宿市)に近づきますが再び砲撃されてしまい、仕方なくマカオに帰ったのですよ。
あとからオランダからモリソン号がなにをしにきたのかを聞いた幕府は相談しますが、やはり「異国船打ち払うべし」という話となったのですね。それを漏れ聞いた「高野長英」「渡辺崋山」という学者が批判しますが、幕府により逮捕されてしてしまう事件が起きます。これが蘭学者を弾圧する「蛮社の獄」という惨劇に繋がってしまうのですね。
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