国家が最も栄えた時期「黄金時代」とは?栄光の歴史・その後は?
強力な統制力で黄金時代を築いた【江戸幕府】
1603年に開かれた江戸幕府ですが、豊臣勢力を根絶やしにした後、徹底的な統制力をもって日本という国を治めました。
武家諸法度、士農工商といった厳格な身分制度、そして禁中並びに公家諸法度といった法制を次々に打ち出し、武士や民衆のみならず皇室や朝廷までも統制下に置こうとしたのです。
それはかつて室町幕府が経験した失敗の数々が反面教師となっていたことは間違いないでしょう。天下普請や参勤交代、転封などによって大名の財力を削ぐことによって反乱の芽を摘み取り、民衆に強いた身分制は幕府への不満をそらすためのはけ口となって活用され、ついに幕末に至るまで民権運動は発生しませんでした。
またキリスト教の禁制や鎖国政策によって海外からの情報が遮断されたため、ほとんどの日本人が海外の動きを理解することすらできませんでした。
日本は幕末期を除いて、大きな戦いが発生することなく250年という平和な時代を謳歌していたといえるでしょうか。まさに長い長い黄金時代だったのです。
海外からの情報を遮断しようとした幕府が倒れるきっかけとなったのは、奇しくも海外からの圧力があったがゆえ。これはまさに皮肉なことといえるでしょう。
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いつかは終わりがやって来る黄金時代
どれだけ繁栄していて優れた文化を持っていたとしても、黄金時代は永遠には続きません。いつかは終わりがやって来るものなのですね。そうやって人類は歴史を紡いできました。人間は精密な機械ではありません。そこには感情があり、経験があり、あらゆる歴史的事象には多くの人々が関わっているのです。また何より人間の一生はたいへん短いもの。跡を継ぐ者が決して優れた人間だとは限りませんし、きちんと事績を継承できるとも限りません。そういった意味で「正しく歴史を紡ぐ」ということは非常に困難なのかも知れませんね。