人口減少局面では経済成長を求める必要はない
21世紀に入り、日本の人口は、減少の時代に入り、少子高齢化の局面に入っています。日本の経済成長を支えてきた大きな要因には、戦後の団塊の世代と言われる世代を中心とした人口増加がありました。しかし、すでに人口は減少に転じ、かつてのように何がなんでも豊かになろうという国民の強い意思は感じられなくなっています。なんとなく、現在の豊かな生活を発展させられたらいいという消極的な意思しか感じられません。
その中で、依然として経済成長を求めるのは、社会そのものが崩壊していく可能性が高いと言えます。背伸びをせずに、身の丈の幸せを求める時代に入ったと言えるでしょう。
プラザ合意がもたらしたもの
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プラザ合意は、すでに戦後でなくなった日本経済に最後の舞台を提供してくれたと言えるかも知れません。成長力を少しずつ失くしつつあった日本経済は、プラザ合意後のバブル経済が無くても、いずれ長期低迷の時代に入っていたと考えられます。
米国は長期経済低迷から脱するまで20年かかりましたが、日本はすでに30年が経とうとしているのです。豊かだった日本人にも格差が大きくなり、貧困問題も出始めています。これからの日本がどのような国となっていくのか、経済成長に固執するのがいいのかなど、私たちに考える機会を与えてくれているのです。