アメリカの歴史独立後

ニューヨークの「自由の女神像」が持つ本当の意味とは?歴史や豆知識をご紹介

ニューヨークの有名な観光地であり、自由なアメリカの象徴とも言える「自由の女神像」。かつてクイズ番組で取り上げられたこともあり、日本人にとってもなじみが深い存在です。その歴史、像のモデルとなった人物から、知っておきたい豆知識など、「自由の女神像」に隠された真実をご紹介していきましょう。

アメリカ独立100周年記念で作られた「自由の女神像」

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「自由の女神像」はニューヨーク市のハドソン川河口にあるリバティ島に立っています。英語ではStatue of Liberty、つまり「自由の像」という意味です。像の正式の名称は「世界を照らす自由」(Liberty Enlightening the World)。アメリカ合衆国の独立100周年を記念してフランスから贈られたもので1886年に完成しました。

自由の女神像の真実1・像の高さは46メートル!

「自由の女神像」は銅でできています。頭までの高さは33.86メートル(111.1フィート)、たいまつまでの高さは46.05メートル(151.1フィート)。台座の高さは47メートル(153フィート)で、台座部分も含めると93メートル(305.1フィート)となっています。総重量は225トンということですから、かなり巨大な像ですね。

ちなみに奈良の大仏は台座も含めると高さ約18メートル。リオデジャネイロのキリスト像(コルコバードのキリスト像)は高さ39.6メートルですから、世界的に見ても大きい像といえるでしょう。

自由の女神像の真実2・像のモデルになった人物は?

「自由の女神像」は、彫刻家フレデリック=オーギュスト・バルトルディの設計によって作られました。エッフェル塔の設計者であるギュスターヴ・エッフェルも関わったと言われています。像のモデルになったのは、ドラクロワの絵画『民衆を導く自由の女神』とバルトルディの母親だったそうです。

南北戦争の影響で混乱していたアメリカに、フランスが友情の証として贈ったのが「自由の女神像」でした。建設の資金はフランス市民による寄付で集められ、台座の資金はアメリカ市民の寄付でまかなわれたそうです。像はいったんフランスで仮組みされた後、214個に分解して船でアメリカに輸送。除幕式にはクリーブランド大統領も列席し、バルトルディが顔にかけられたフランス国旗を除幕しました。

自由の女神像の真実3・足元には引きちぎられた鎖がある

「自由の女神像」は古代ギリシア風の服を着て、右手で聖火のともったたいまつを持っています。左手にはアメリカの独立記念日である「1776年7月4日」と書かれた銘板を持っていますが、これはアメリカ独立宣言の象徴です。足元をよく見ると引きちぎられた鎖があって、女神がこれを踏みつけているのに気付くことでしょう。自由を束縛する弾圧、抑圧の象徴である鎖を女神が踏みつけることで、全人類の自由と平等を表しているわけです。

冠には7つの突起がありますがこれは7つの海と7つの大陸に自由が広がるという願いが込められています。このように頭の先から足元まで全身で「自由」を表現している像なのですね。

自由の女神像の真実4・女神像はもともとは灯台だった!

右手で掲げているたいまつの炎は純金でできていて光るようになっています。これはもともと「自由の女神像」が灯台として使われていたからなんです。自由の国・アメリカにやってきた移民たちは、女神像のたいまつを目指して航海をしていたわけですね。そのため像はニューヨーク港を向いています。

しかしこのたいまつの光は雲に反射してしまうため灯台としてはあまり機能せず、1902年には灯台としての機能を停止してしまいました。それ以降は観光名所として有名になります。1924年にアメリカ合衆国国定記念物、1966年にアメリカ合衆国国家歴史登録財、1984年に世界遺産(文化遺産)に登録されました。

女神像の真実5・「自由なアメリカ」の象徴として

有名な映画『猿の惑星』(1968年)ではラストシーンに「自由の女神像」が出てきます。猿が支配する星へたどり着いた主人公たちが「自由の女神像」を発見し、この星が地球であることに気が付くというあまりにも有名なシーンです。このように「自由なアメリカ」の象徴として数多くの映画に登場します。

女神像は「アメリカの民主主義」の象徴であり、世界各地からやってくる移民たちにとって新天地の象徴とも言えるでしょう。台座部分の内部には、アメリカ移民の歴史を展示した博物館もあります。こうして「自由」や「民主主義」といった政治理念がはっきり打ち出された像が国家の象徴となっているのは、アメリカのすごさといえるのではないでしょうか。

「自由の女神像」にまつわる豆知識

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ここからは「自由の女神像」にまつわるちょっとした豆知識をご紹介していきましょう。最新の情報もありますので、観光で「自由の女神像」を訪れたいと思っている方もぜひお読みください!

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