日本の歴史

何人言える?日本のお札の肖像になった人物を一挙解説!

#11 愛称はダルマさん:高橋是清(たかはしこれきよ)

幕末から明治、大正、昭和初期と、時代を超えて活躍した政治家として知られています。

海外留学経験もあり、数々の学問を収め、大正時代には大蔵大臣も歴任。激動の日本の財政・経済に翻弄された政治家のひとりと言えるでしょう。

第20代内閣総理大臣を務めたことでも知られています。

1951年(昭和26年)の日本銀行券50円券の肖像に。まん丸顔に明るい笑顔でニックネームは「ダルマさん」。人々から愛されるキャラクターだったそうです。

#12 初代内閣総理大陳:伊藤博文(いとうひろぶみ)

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幕末から明治にかけて活躍した政治家。長州藩・吉田松陰の私塾・松下村塾の出身で、明治維新後は新政府の中心人物として活躍。大日本帝国憲法の草案作成に奔走し、初代内閣総理大臣を務めた後、第5代・第7代・第10代と計4回、総理大臣を務めています。

1963年(昭和38年)の日本銀行券1000円券に。1000円札という庶民的なお札に採用されたこともあり、お札の肖像として馴染み深く感じている方も多いと思いますが、意外にもお札になったのは1回のみです。

#13 天は人の上に人を造らず:福沢諭吉(ふくざわゆきち)

特に取り決めがあるわけではないようですが、お札の肖像に政治家を選ばなくなった、とも言われています。政治的・思想的に偏らないようにするためかもしれません。

近年のお札には、学問や文化などの分野で活躍した文化人を選ぶことが多いようです。その代表が福沢諭吉ではないでしょうか。言わずと知れた、幕末~明治にかけて活躍した思想家であり教育者慶應義塾大学の創設者としても知られています。

1984年(昭和59年)に日本銀行券10000円券の肖像となり、聖徳太子に代わって新しい時代の「高額紙幣」の代名詞となりました。

#14 太平洋の架け橋に:新渡戸稲造(にとべいなぞう)

20世紀も後半に入り、日本の通貨「円」は「YEN」として世界でも注目されるようになります。お札の肖像にも、グローバルな人物が求められたのかもしれません。

新渡戸稲造は幕末に生まれ、明治・大正・昭和を生きた日本の教育者です。

若い頃、アメリカやドイツへ留学し、語学は堪能。『武士道(The Soul of Japan)』という著書は海外でも高く評価されている名著です。

ドイツで妻・メアリーと結婚。当時はまだ、国際結婚は珍しいものでした。

1984年(昭和59年)に日本銀行券5000円券の肖像になっています。

#15 日本を代表する小説家:夏目漱石(なつめそうせき)

『坊ちゃん』『三四郎』『こころ』『それから』『草枕』そして『吾輩は猫である』などなど、誰でも一度は手にした事がある小説をたくさん執筆し、誰もが知る文人、夏目漱石。

若い頃は、愛媛や熊本で英語教師を努めていましたが、この人も海外(イギリス)留学の経験があり、外国にも精通しています。文学者としての功績はもちろんのこと、海外での知名度の高さも、お札の肖像に選ばれた理由と言えそうです。

1984年(昭和59年)に日本銀行券1000円券となっています。

#16 『源氏物語』の作者:紫式部(むらさきしきぶ)

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他の紙幣のように、人物の正面姿を描いたものではないため、人物肖像とは言えないかもしれません。お札の人物、というカテゴリに当てはまるかどうか微妙ですが、人物を描いた紙幣という意味ではこの人も挙げておくべきでしょう。

2000年(平成12年)に発行された日本銀行券2000円券に、源氏物語絵巻の一場面とともに、紫式部の姿が描かれています。

この紙幣は、西暦2000年を記念し発案されたもの。同年行われた沖縄サミットの開催もあり、表には守礼門も描かれています。

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