日本の歴史

春分や夏至だけじゃない!知れば知るほど面白い「二十四節気」と暦の世界

二十四節気(にじゅうしせっき)とは、季節の節目を表す言葉。二十四気(にじゅうしき)と呼ぶこともあります。1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、それをさらに6つに細かく分けたもので、もともとは古代中国で農業や日々の生活の目安として使われていたものが日本に伝わり、平安時代のころには季節を知る暦として日常的に使われていました。二十四節気とはどんなものなのか、季節ごとにひとつずつ解説してまいります。

日に日に暖かく過ごしやすく~二十四節気:春

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雪解け、芽吹き、梅や桜など春の花の開花……。厳しい冬の後にやってくる春の訪れは、人も動物も虫も植物もみんなが楽しみにしていること。耕作の準備も始めなければなりません。誰もが心待ちにしている春という季節にはどんな二十四節気があるのでしょう。ひとつひとつ見ていきましょう。

2月4日頃~立春(りっしゅん)

立春から立夏までを「春」と分類。寒さはまだまだ厳しい時期ですが、土の下では着々と春の準備が進んでいます。徐々に日が伸びて、日に日に春の訪れを感じ始める頃。1年の始まりでもあります。

旧暦では、この時期に正月が巡ってきていたので、立春は一年の始まりという意味も持っていました。

このころに吹く強い南風のことを「春一番」と呼んでいます。

寒い日の合間に南風が吹いたり、暖かい日差しを感じる日があったり。梅の花がほころんで、冬はもうそろそろ終わり……そんなことを感じる季節です。

2月19日頃~雨水(うすい)

冬の間は、空から落ちてくるとしたら雨ではなく冷たい雪。でもこの時期になるとそれももう終わりです。雪が雨に変わり、山肌に降り積もった雪も少しずつ解けて雪解け水になるのがこの季節。地域によってはまだまだ雪が降る場所も多いですが、それでも徐々に、雪の積もり方も穏やかになってきます。

ひと雨ごとに春の訪れが感じられるのがこの季節です。

3月6日頃~啓蟄(けいちつ)

春は地面の下から。地上はまだまだ雪が降ることがあって空気が冷たくても、土の下は温まっていて穴の中や落ち葉の下で冬ごもりをしていた蛇やカエルたちは一足早く春を感じています。

「蟄」とは、冬ごもりのために虫が土の下にとじこもるという意味を持つ漢字。「啓」はひらく、とも読み、開放する、夜が明けるといった意味を持っています。生物たちが目覚め活動を始める頃、という意味の、春の訪れを表す昔ながらの言い回しです。

3月21日頃~春分(しゅんぶん)

冬の間は太陽の出ている時間が短く夜が長かったですが、春分の日のあたりでようやく、昼夜の長さがほぼ同じになります。ああ、日が伸びたなぁ……。そんなことを感じはじめるのがこの季節です。

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、真冬に比べると太陽の位置も高くなり、比較的暖かく過ごしやすい日が増えてきます。桜が咲き始めるのもこのころです。

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4月5日頃~清明(せいめい)

春の訪れとともに徐々に景色が明るくなり、生き生きと清らかな様子を表す言葉「清浄明潔」を略し、この季節を表す言葉としています。

ちょうど桜が満開となり、お花見を楽しむ人が増える頃。空が高く青く澄んで風も気持ちよく、鳥たちのさえずりもよく聞かれるようになります。万物が春の訪れを喜ぶ季節。種まきの準備も急がなければなりません。

4月20日頃~穀雨(こくう)

春を謳歌してばかりもいられません。いよいよ作物の種まきの季節です。

この季節は暖かい日の合間に、じょうろで水をまくような穏やかな雨が降り、植物たちに潤いを与えてくれます。この時期に種をまいておくと、小さな種にも優しく雨が降り注ぎ、作物がよく育つといわれているのです。

田植え・梅雨入り・夏休み~二十四節気:夏

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ここからいよいよ暦は夏。前半は穏やかで過ごしやすい日が続き、梅雨を経て本格的な夏を迎えることになるこの時期、全国的に田植えが行われる季節でもあります。どんな言葉が夏の季節を彩るのか、じっくり解説いたしましょう。

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