北方領土はどうしてロシアのものになった?
北方領土(北方四島とも)とは【国後島(くなしりとう)】【択捉島(えとろふとう)】【色丹島(しこたんとう)】【歯舞諸島(はぼまいしょとう)または群島とも】のことを指します。なぜこれらの島々をロシアが実効支配しているのでしょうか?歴史を少しさかのぼってみましょう
元々は日本の領土として認められていた
北方領土は古くからアイヌ人たちが住んでいた島でした。江戸時代になると松前藩が実効支配するようになり、やがてロシア人たちもたびたび訪れるようになりました。
そうした中、江戸時代の終わりに日露和親条約が結ばれて、日本のものだという主張をロシアに認めさせることに成功。北方領土は豊かな漁場でしたから、本土からも人がどんどん移住していってインフラの整備も進んでいきました。
1905年の日露戦争では日本が勝利し、その結果、はるか北の樺太(からふと。現在のサハリン)まで日本の領土が及びました。
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対日参戦したソ連によって北方領土を奪われる
太平洋戦争の末期、敗戦が濃厚だった日本にとってさらにショックな出来事が起こりました。日ソ中立条約を結んでいたはずのソ連(現在のロシア)が突如として攻め込んできたのです。
そうした中、8月15日に「終戦の詔」が出されて戦争は終わったはずでした。しかしソ連軍の進撃が止まることはなかったのです。南樺太や千島列島を奪われ、9月に入ると北方四島まで占領されてしまいました。
それまで現地に住んでいた日本人たちは全て追い出され、ソ連が実効支配するようになったのです。以後現在に至るまでロシアによって占拠され続けています。
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「日本の主張」と「ロシアの主張」
NASA: http://www.oceandots.com/pacific/kuril/kunashir_panorama.htm cs.wikipedia からコモンズに Sevela.p が CommonsHelper を用いて移動されました。, パブリック・ドメイン, リンクによる
領土問題というものは、双方の国が互いに主張を譲らないために起こるものです。ここで日本とロシアの主張がどういうものなのか?確認していきたいと思います。
日本の主張とは?
日本側の基本的なスタンスは、「ロシアに不法占拠されているわけだから、北方領土は日本に帰属するべき」ということです。
よく北方領土は「日本固有の領土」といわれますが、日本の歴史が始まって以来、外国によって占拠されたことはなく、国際的な条約によって、きちんと日本の領土として認められてきた歴史があるということですね。以下にその根拠を見ていきます。
日ソ中立条約を一方的に破棄して、一方的に攻め込んできたことは明らかに不法行為。また日本がポツダム宣言を受け入れて降伏の意思を明確にしたのに、それを無視して武力で不法占拠されたということ。
連合国は戦後処理の過程の中で「領土不拡大」を宣言しています。その原則に照らすなら、日本固有の領土を手放すいわれはないということ。
戦後のサンフランシスコ平和条約では確かに千島列島を手放すことにはなったものの、そこに北方領土は含まれていないこと。
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