平成日本の歴史昭和

5分でわかる!「北方領土問題」の何が問題なのかをわかりやすく解説

ロシアの主張とは?

ソ連(ロシア)側にもそれなりの主張はあります。北方領土問題に関してロシアがよくコメントしている「第二次世界大戦の結果」というものがそれです。

 

昭和16年に日本が満州で軍事演習を行い、ソ連に脅威を与えたという事実がある。この時点をもって日ソ中立条約を破棄したのは日本側だ。

ソ連が対日参戦したのは米英からの要請があったためであり、これ以上戦争を長引かせると日本国民が苦痛にあえぐことになる。日本国民を救うために参戦に踏み切らざるを得なかった。

またソ連が対日参戦する見返りとして、千島列島を引き渡すという約束があった、北方領土ももちろん含まれている。

日本は8月15日が戦争終結の日だというが、実際に降伏文書を交わしたのは9月3日であり、それまでは戦争状態にあった。

 

日本・ロシア双方の主張とも正しいように感じますが、そこはきちんとした話し合いがされるべきでしょうね。

北方領土問題が解決する可能性は?

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戦後から現在に至るまで、北方領土問題に関しては日ロ間で何度も話し合いが行われてきました。果たして日本へ返還される可能性はあるのでしょうか?

何度も交渉が試みられるも…なかなか進展しない北方領土問題

日ロ双方の言い分がある中での北方領土問題は確かに高い壁だといえるでしょう。「古来からロシアという国は、手に入れた領土は決して手放さない。」と言う人もいれば、「話し合いに応じている以上は粘り強く交渉を続けるべきだ。」と言う人もいます。そういえば「戦争で取り返した方が良くないですか?」と暴論を吐いた某国会議員もいましたっけ。

実は過去の交渉の中で、唯一ともいえるチャンスがありました。それが1956年に署名された「日ソ共同宣言」ですね。ソ連は「色丹島」「歯舞諸島」の2島返還に同意し、平和条約締結後に現実となるはずでした。

しかし日本は直後にアメリカと「日米安保条約」を結び、これに態度を固くしたソ連に返還を拒否されてしまったのです。当時は東西冷戦の真っただ中の時代。アメリカに味方しようとする日本にソ連が良い顔をするわけがありません。

交渉が反故になった後も日ロ首脳間での話し合いは幾度も続けられてきました。しかしそのたびに「領土問題は早急に解決されねばならない。」と謳い文句は言うものの、一向に進展しないのが現状です。

北方領土問題が解決されるためにはどのようなことが必要?

北方領土問題が解決されるためには、日ロ双方の歩み寄りが必要となるでしょう。例え満額回答が得られなくとも、双方が納得いく形で決着できれば良いのです。領土返還のためには最低でも3つの条件が必要になるでしょう。

まず日本は「日ソ共同宣言」で同意した「色丹島」「歯舞諸島」の2島返還で決着することです。他の「国後島」「択捉島」といった大きな島には、すでにロシア人が1万3千人ほど住んでいて生活基盤もそこにあります。仮に退去させるには相当な労力が掛かること。色丹島にも2千人ほどが居住していますが、他の大きな島に移住してもらうことは可能でしょう。

また北方領土はロシアにとって軍事的に重要な地域です。国後島をはじめ多くのロシア軍が駐屯していますし、日本に2島が返還された場合にも「米軍基地が進出してくる可能性」を最も心配しているといえますね。だから日本側から軍事基地は絶対に置かないと確約をするべきです。

最後に北方領土での共同経済活動が大切になってくるでしょう。海洋・鉱山資源や漁業資源の開発など、日ロが共同でパートナーシップを組むことで大きな利点が得られることでしょう。日本がお金だけ出して利益だけ持っていかれる形は絶対に避けるべきです。

そうした上で民間交流を活発にさせ、ビザもなくし、自由に行き来ができるようになれば明るい未来は見えてくると思います。

日ロ平和条約が結ばれる日

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日本とロシアの間では平和条約はまだ結ばれてはいません。だからまだ戦争は正式には終わっていないのです。なぜならそこに北方領土問題が横たわっているから。領土問題が解決してはじめて真の友好が結ばれるのではないでしょうか。その日がいつになるのか?心待ちにしたいと思います。

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明石則実