世界はこの戦争によって変わった。特に影響力が強かった4つの戦争
全ヨーロッパに拡大していく戦争
七年戦争は最初の頃はプロイセンとオーストリアの戦争でしたが、この戦争はいろんな国がいろんな目的を持っている戦争でもあったのです。どういうことかというと当時オーストリアは外国革命によってフランスと婚姻関係を結んでおり、さらにプロイセンの場合はイギリスと同盟を結んでいました。そしてよりにもよってこの2国が結んだイギリスとフランスがとんでもないぐらい仲が悪くこの2国はヨーロッパなんて興味なし。そのかわり第2次百年戦争と呼ばれたイギリスとフランスの争いは七年戦争の主戦場であるヨーロッパ本土ではなく、当時ヨーロッパ各国が植民地としていた北米大陸を主戦場としていたのです。
そしてこの戦争はフレンチ・インディアン戦争においてイギリスが勝利したことによってフランスの影響を排除。さらにヨーロッパ大陸の方でもイギリスがフランスを圧倒したことによって同盟国であったプロイセンが有利となり結果はフベルトゥスブルク条約においてオーストリアがシュレジェンの領有を割譲したのとによってプロイセンの勝利に終わったのでした。
七年戦争の影響
こうして終結した七年戦争でしたが、この戦争の影響は凄まじいものでした。
まず、神聖ローマ帝国の皇帝を代々継いできたオーストリアが新興国であるプロイセンに負けたことによって、これから先のドイツ統一の主導権をプロイセンが握るようになっていきました。
さらに、北米大陸では七年戦争でイギリスが使った戦費をイギリスが領有していた13植民地に商品の課税したことによって植民地に住んでいた国民が反発を起こし始め、後にアメリカ独立革命が起こることになり、一方のフランスの方も七年戦争の戦費と北米大陸の植民地を失ったことによって国内の財政が破綻。貴族の責任や課税問題に繋がっていきそしてフランス革命が勃発する原因となっていったのでした。
七年戦争はまさに18世紀後半の動乱の時代を巻き起こす引き金となった戦争だったのでます。
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戦争の仕組みを大きく変えた第一次世界大戦
第一次世界大戦は1914年から1919年まで続いたイギリス・フランス・ロシア率いる協商国とドイツ・オーストリア・オスマン帝国率いる同盟国との間で起こった世界初の世界大戦でした。
この戦争はオーストリア皇太子夫妻がセルビアのサラエボにて暗殺されたという事件から連鎖的につながっていき、ヨーロッパを荒廃させた大戦争となったこともあってからかこれからの戦争のあり方を大きく考えさせる戦争でもあったのです。
そんな第一次世界大戦でしたが、この戦争以降世界がどういう風に影響を及ぼすことになっていったのかを探っていきましょう。
4つの帝国の崩壊
第一次世界大戦の特徴にこれまで世界を動かしてきたロシアのロマノフ朝・ドイツ帝国のフォーエンツォレルン家・オーストリアのハプスブルク家そしてオスマン帝国が揃いも揃って全部崩壊したことにあると思います。
元々、この4つの帝国は東ヨーロッパにおいて多大な影響を与え、七年戦争の時には主役として戦ってきた国たちです。しかし、この戦争においてロシアではロシア革命が起こりロマノフ朝は崩壊。代わりに1922年にソビエト社会主義共和国連邦が成立し、さらに三国同盟の敗戦によってドイツでは革命が起き、当時のドイツ皇帝ヴィルヘルム2世はオランダに亡命。オーストリア帝国は元々多民族国家だったこともあり、多数の国に分裂しハプスブルク家はオーストリアから去る結果となってしまいました。
さらにこの帝国らが崩壊したことによって東ヨーロッパ各地でチェコスロバキアやポーランドやフィンランドなどの独立国が誕生します。
このことにより第二次世界大戦で一時期は統合されるものの現在まで続く国境の形が大体定まる事になったのです。
戦争の仕組みが大きく変わった
第一次世界大戦の特徴の一つに戦争の仕組みが大きく変わってしまったという点があります。第一次世界大戦前の戦争の場合戦争の花形といえば歩兵と馬。一対一の白兵戦で銃を使いながら相手を倒していくというものでした。
しかし、第一次世界大戦の場合はそんな戦争をはるかに凌駕した戦争となり、機関銃の使用によって一対一から敵の大量殺戮に、機関銃の対策として相手を倒すのではなく相手を避けながら塹壕を掘っていく塹壕戦の開始に、そしてその塹壕にいる兵士を倒すために大量に敵を倒すための毒ガスも開発して塹壕を越えるための戦車も開発されました。さらに、1910年にライト兄弟が初めて飛んだはずの飛行機を早速実用化。空から爆弾を落とすようになり、このように第一次世界大戦からは被害が兵士だけだったものが、敵や敵国の市民をなりふり構わず殺戮するという総力戦へと大きく変貌したのです。
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