教養歴史豆知識・雑学

「日本」の国名の起源にまつわる疑問(由来、正式名称etc)を解説

日本に住んでいても、「日本」という国の名前について知らない人は意外と多かったりします。例えば「日本という国の名前の由来」や「日本の正しい読み方」、「日本はなぜJAPANと呼ばれるのか」などなど。そんな「日本」という国名にまつわる知識を解説していきたいと思います。

「日本」という国名の起源についての疑問

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現在、日本列島にある国の名前は「日本国」で、パスポートや地図にもそのように書かれています。でも、「そもそも『日本』という名前はいつから始まったのか?」と聞かれたら、すっと答えられる人はかなり少ないのではないでしょうか。実はこれは学者の間でも意見が分かれている難問なんですね。諸説あるのですが、7世紀後半~8世紀初めには「日本」という国名が正式に定められたというのが正解のようです。ここからはそんな「日本」の国名の起源に関するさまざまな疑問を解消していきましょう。

【疑問1】「日本」という国の名前が決まったのはいつ?

689年の飛鳥浄御原令(あすかきよみはらりょう)によって、「日本」という国の名前が正式に定められたという説が有力です。遅くとも、その後の701年の大宝律令(たいほうりつりょう)の頃には成立していたと言われています。当時の日本は飛鳥時代。天武天皇が強大な権力を握り、律令国家という新しい国の仕組みを作ろうとした頃です。「律令」というのは、ちゃんとした文章の形になった法令のことで、こうした国家のシステムが定まると共に「日本」という名前も誕生したのでしょう。ちなみに、「天皇」という名称もこの天武天皇から始まったという説が有力です。

【疑問2】「日本」という名前の前の国名は?

7世紀より以前はこの国は「日本」ではなかったことになります。細かいことを言えば、「弥生時代の日本」とか「古墳時代の日本」などというのは正確な表現ではないということですね。では当時この国は何と呼ばれていたのかというと、「(わ)」でした。この「倭」という国の名前は中国人がつけたのだと思われますが、なぜこの漢字が使われたのかはわかっていません。どうやら当時の「倭人」たちはこの名前があまり気に入らなかったようで、「日本」へと改名することになったわけですね。

ただ、この「倭」という言葉は現在も形を変えて残っています。そう、「和食」とか「和風」という時の「和」です。「和」という漢字で日本人の民族性を表す言葉となったわけですね。

【疑問3】「日本」という国名の由来は?

厩戸王(聖徳太子)は遣隋使で隋(当時の中国)の皇帝に送った手紙に「日出ずる国(ひいずるくに)」と書いています。これは中国から見て日本が東の方角にある、つまり「日が出てくる方角にある国」という意味でした。「日本」という名前もこれと同じ意味で、が出てくる(もと)にある国だからということなのでしょう。そもそも「国号」(国の名前)というのは、外国に対して名乗る必要があるからつけられるわけですよね。特に東アジアで強大な国家を築いていた中国にとっては「日本」というのがわかりやすい名前であったことは間違いないでしょう。

【疑問4】現在の「日本」の正式名称は?

現在、日本人の持つパスポートには「日本国」と書かれていますし、憲法の名前も「日本国憲法」となっています。そのため「日本国」が正式名称と言えるでしょう。ただ、法令で日本の正式名称が特に定められているというわけではありません。戦前までは「大日本帝国憲法」が制定されていましたが、「大日本帝国」も正式名称だったわけではなく、「日本」や「大日本国」といった名称も併用されていたようです。ちなみに外国では「アメリカ合衆国」や「ドイツ連邦共和国」、「中華人民共和国」のようにその国の国家体制を表す言葉がつくのが一般的。「日本国」のように国家体制を表さない「国」という単語をつけた国は、実はかなり珍しいのですね。

「日本」の国名、素朴な疑問

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さて、ここからは「日本」という国名についての素朴な疑問を解消していきましょう。知っているようで知らなかったことといえば、「日本」という国の読み方があります。例えば、「日本大学」は「ニホン大学」と読みますし、「日本体育大学(日体大)」は「ニッポン体育大学」。「日本橋」のように、東京では「ニホンバシ」、大阪では「ニッポンバシ」と読まれる地名もあります。政党の名前も「日本共産党」は「ニホン共産党」ですが、「日本維新の会」は「ニッポン維新の会」です。テレビ局の「日本テレビ」のように、正式名称が「日本テレビ放送網株式会社(ニッポン)」なのに略称が「日本テレビ(ニホン)」と変わってしまうことすらあります。さて、正式な読み方はどちらなのでしょう。

【素朴な疑問1】「ニホン」なのか「ニッポン」なのか?

戦前には、1934年に文部省臨時国語調査会が「にっぽん」に統一して、外国語表記もJapanではなくNipponを使用するという案を示したこともありました。しかし、これは実現せずに現在に至ります。そして2009年6月30日に政府は、「『にっぽん』『にほん』という読み方については、いずれも広く通用しており、どちらか一方に統一する必要はない」という答弁書を閣議決定しているんです。つまり、「ニホン」も「ニッポン」もどちらも正式な読み方ということですね。確かに、今さら「日本大学」を「ニッポン大学」にするなどということを日本中でやっていたら大混乱になること間違いなしなので、当然のことと言えるかもしれません。

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