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5分でわかる「アルキメデス」の生涯・功績ー円周率・てこの原理も証明した天才数学者をわかりやすく解説

アリストテレス、ソクラテス、プラトン、ピタゴラス、ヒポクラテス……。古代ヨーロッパで活躍した偉人・著名人たち。名前はよく知っているけど、何をした人だったか、ごちゃ混ぜになってしまってわからなくなることがある、という方、多いのではないでしょうか。今回の記事ではそんな著名な偉人たちの中から「アルキメデス」をピックアップ。どんな人物だったのか、何を発見した人か、詳しく解説いたします。

どんな人物?アルキメデスの基本情報

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「てこの原理」や「円周率」など、現代の私たちの生活に身近な原理を発明・発見した天才科学者……。それがアルキメデスです。それだけでもスゴイのに、これらが何と2000年以上も前に考え出されたものだというから驚き!いったいどんな人物だったのでしょう。まずはそんなアルキメデスの出身地や生い立ち、時代背景など基本的なことから見ていくことにいたします。

生まれは紀元前3世紀・アルキメデスの出身地・生い立ちとは?

アルキメデスはイタリア半島の南端・ブーツのつま先部分に近い位置に浮かぶシチリア島のシラクサという都市で生まれたと言われています。

この地は紀元前8世紀頃にギリシアによって発見され、ギリシアの都市国家が形成されていました。なので、アルキメデスは古代ギリシアの学者、ということになります。

アルキメデスの生誕時期については確かなことは分かっていないのだそうですが、紀元前287年生まれだろうという説が有力です。

父・ペディアスも天文を専門とする科学者で、アルキメデスは多くの学問を父から学んだと伝わっています。

若い頃、エジプトのアレクサンドリアに留学。シラクサに戻ってからは、シラクサの王から支援を得て、様々な学問に取り組んでいきました。

アルキメデスが生きた「古代ギリシア」とはどんな時代だった?

アルキメデスが生きた時代、共和政ローマという強大な国が地中海全域で幅を利かせていました。

同時期、やはり地中海沿岸部、特にアフリカ大陸側の海岸域で勢力を伸ばしていたカルタゴというフェニキア人国家があり、ローマとカルタゴが地中海覇権を争っていたのです。

そんな中、紀元前219年に第二次ポエニ戦争が勃発。アルキメデスが暮らすシチリア島にもローマ軍が侵攻してきます。

後世の記録によると、アルキメデスはこのとき、投石機やなどの武器を設計してローマ軍侵攻阻止に貢献したのだとか。嘘か誠か、太陽光を集めて強力なレーザー光線を発射する熱光線兵器を開発した、といわれているのです。

そんなアルキメデスの評判は、ローマ側にも伝わっていました。敵将はシチリア島の市街地を攻撃する際、アルキメデスには危害を加えないよう兵たちに命じていたのだそうです。しかし自宅で研究に没頭していたアルキメデスは、攻め込んできたローマ兵に名乗ることもなく、あえなく殺害されてしまいます。

没年:紀元前212年。研究に没頭する日々を送る中、アルキメデスは75歳の生涯を終えました。

混同しがちなアリストテレス、ピタゴラス、ソクラテス等と比較

ソクラテスは紀元前5世紀から前4世紀にけて活躍した、古代ギリシアの哲学者。ギリシアのアテナイ(現在のアテネの古い呼び方)で生まれ育ち、「生きるとは何か」「無知の知」など、己をよく知ることを広く説いて多くの弟子を育てました。

プラトンは、そんなソクラテスの弟子のひとりです。紀元前5世紀後半から前4世紀半ば頃、古代ギリシア哲学の最盛期と呼ばれる時代に活躍した代表的な哲学者といわれています。

アリストテレスプラトンの門下生のひとり。紀元前4世紀に活躍したギリシアの哲学者です。ソクラテス、プラトンの哲学を継承。自然学や政治学、文学など様々な学問を体系づけて総括したことから、「万学の祖」と称されることもあります。

ピタゴラスはもう少し古い時代の、紀元前6世紀後半から5世紀にかけて活躍した、古代ギリシャの哲学者・数学者。「万物は数なり」と説き、すべての事象は数の法則にしたがうものである、との信念のもと、様々な研究を重ねた人物として知られています。

今こそ知っておきたい!アルキメデスの発明と発見

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高い思考力・技術力を持ち、時代が求める実用性の高い発明や発見を重ねたアルキメデス。その評判が敵陣にまで届いていたとは、ますます驚きです。それでは次に、そんなアルキメデスがどのような発明・発見をしたのか、有名なものをいくつかピックアップしてご紹介します。

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