日本の文化にも影響を与えた?中国の「道教」をわかりやすく解説!
道教とはそもそも何なの?
道教とは、春秋戦国時代から漢の時代にかけて中国で自然発生的に成立したとされる、神教的宗教のことをいいます。
道教は無為自然の思想である老荘思想や中国古代の民間信仰や陰陽五行説や不老長生の神仙思想など中国各地に根づいていた文化やさまざまな要素が混交した宗教で現在でも台湾や東南アジアの華僑・華人の間ではかなり根強く信仰され、中国では仏教・儒教と並ぶ中国の三大宗教とされているのです。全世界で道教の信徒を自認する人は約3千万人程度でキリスト教やイスラム教ほどではないものの、一部では勢力を誇っています。
ちなみに道教はいま中国を支配している中華人民共和国では文化大革命によって壊滅的な打撃を受けましたが、毛沢東がなくなってある程度自由を手に入れると現在では道教の存在が認められることになっていき、公認となっているのです。
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道教の教え
道教哲学の源は老子と荘子の唱えた「道」と「無為自然」の思想にあります。道教の創始者とも聖人ともされている老子と荘子の思想はあわせて老荘思想とも呼ばれている。
ちなみに、道教といえば老子を思い浮かぶ人がいると思いますが、実際は老子が開いた宗教ではなく、あくまでもその思想が道教に取り込まれただけです。しかし、道教では老子を聖人として神格化しており、崇拝される対象となっているのですね。
では、道教はなんなのかというと要するに中国各地の民族信仰が発展した物だと言われている。道教には仏教や儒教を含めて複数の宗派などがごちゃ混ぜとなっている物であり、神とされている人も仏教や儒教の神様が祀られていることがあります。ちなみに、日本の七福神のメンバーに道教の神が入っているんですよ。
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道教の老子思想
道教の思想の源は『老子』『荘子』にあり、その教えは老荘思想とよぶことはうえで説明した通りです。しかし、その老荘思想とはいったい何なのでしょうか?
老荘思想の根本は無為自然を尊んでいることにあります。無為自然とは人為的な教えを否定して、その運命や道のままに任せて生きることに真理があるとする考え方です。
老子はこのように自然に身を任せることが1番いいという考え方を持っており、その考えは後々の道家の思想として後々の道教の思想となっていきました。
仙人の考え
また道教には神とは別の概念として仙人という思想ががあります。仙人といえば日本でもイメージがしやすい存在ではありますが仙人とは要するに人間が住んでいる俗界を離れて暮らしていて仙術によって不老長寿を得た人のことをいう。
そんな人なんているのかという疑問は残りますが、その仙人になることをいわゆる神仙思想と言うのです。ちなみに、そんな仙人になることは今では否定されている面が強いのですが、その考えによって体操法や漢方薬などが研究されていき、中国の医学や科学が発達したとされています。道教ではそのような考え方が共存していることによって仙人になれるとされているのですね。
道教の歴史
ここまでは道教という宗教は一体どのような宗教なのかについて見ていきましたが、次はそのような道教がどのような形で発展していったのかについて見ていきたいと思います。