- 1.剣豪宮本武蔵の生い立ち
- 1-1武蔵の幼少期
- 1-2村にやってきた剣客
- 1-3武蔵の剣客デビューは喧嘩?
- 2.歴史上に残る合戦にも参戦した武蔵
- 2-1関ヶ原の戦い
- 2-2大坂冬・夏の陣
- 2-3島原の乱
- 3. 武者修行の旅にでる武蔵
- 3-1歴史に名を残す名勝負!巌流島
- 3-2まさに武士の真髄!吉岡兄弟
- 3-3名門「宝蔵院流槍術」に挑む!奥蔵院道栄
- 3-4名門柳生家の敏腕家臣との激突!
- 3-5今や武蔵は超有名人!エリート大名との勝負
- 3-6天下無双の男!柳生新陰流の達人氏井弥四郎と戦う
- 4.晩年の武蔵
- 4-1手先が器用で、芸術にも長けていた
- 4-2お墓は全国6ヶ所に
- 名立たる侍たちを惹きつけた、二天一流の開祖宮本武蔵は剣術探求に生涯を捧げた
この記事の目次
1.剣豪宮本武蔵の生い立ち
兵法書『五輪書』で生涯六十余度の勝負に全勝したと述べており、放浪と死闘を繰り返し、武士として剣の道を追求する激烈な人生でした。井上雄彦のマンガ『バガボンド』や、そのモデルとなった吉川英治氏が朝日新聞に書き下ろした小説『宮本武蔵』などで、彼の人生を紹介しています。宮本武蔵の幼少期の詳しい記録は残っていませんが、彼の生い立ちを探ってみましょう。
1-1武蔵の幼少期
宮本武蔵は、『五輪書』から推察するに、天正12(1584)年に黒田如水(官兵衛)の本拠地播磨国印南郡米田村で、田原家貞の次男として誕生したようです。幼名は「弁助(べんすけ)」といい、2~3歳から剣術の稽古を受けました。諱は玄信(はるのぶ)といい、「新免武蔵守・藤原玄信」と五輪書の中に記載されています。
実父の死後に作州(岡山県北部)の宮本(又は新免)無二之助(みやもとむにのすけ)の、養子となりました。父となった無二之助は、巷でも評判の剣客で、厳しく武蔵に剣術を教えたようです。
武蔵は養父に悪態をつく毎日で、ある日逆上し武蔵に小刀を投げつけます。簡単によけて舌をだして笑う武蔵に、小柄を抜き取り再度投げるも難なくかわした上に、兵法を批判したようです。これで見えるように、異様な親子関係だったと想定されます。
ちょっと雑学
武蔵は名前を色々と変えています。源義経を尊敬しており、25歳の頃に「宮本武蔵義経」と名乗っていたとか…。
成人後の身長は、180cmもあったようです。『渡辺幸庵対話』という書の中に、「風呂嫌いで行水すらたまにしかせず臭い。」と記されています。剣客として有名な武蔵は、大名に呼ばれることもあり、その時はさすがにお風呂に入り身なりを整えたようです。
1-2村にやってきた剣客
秀吉が天下統一を成し世の中が平和に見えるも、我が名を売りたいと血に飢えた不逞の輩どもが不穏な動きをしていた時分、自立心旺盛でパワーが漲る13歳の少年と成長した武蔵は、仕合(決闘)デビューを果たしたのです。
新当流兵法者の有馬喜兵衛(ありまきへえ)が、仕合を挑む金箔の高礼を立てます。これを見た武蔵は、「仕合つかまらん。宮本弁助」と大きく書いたのです。有馬の弟子が、正蓮院の住職道林坊に、仕合の同意を伝えます。何も知らない住職は、有馬に侘びを入れ、13歳子供の悪戯と説明しました。武士のメンツは保てたと許します。
1-3武蔵の剣客デビューは喧嘩?
武蔵は「貴様が有馬喜兵衛か!いざ勝負!」といい、樫の棒で襲いかかります。これには有馬も逆鱗し、剣を抜きました。誰もが“武蔵は死んだ”と思ったとき、有馬の懐に入り地面に叩きつけ、樫の棒で連打し殺します。臨機応変な戦法を瞬時に考える能力はずば抜けていたようです。養父無二之助は、才能を再認識し、無二之助の剣法をバカにされ勘当していた武蔵を正蓮院から呼び戻しました。
13~16歳までの謎とされる3年間で、無二之助は当利流を完璧に教えます。無二之助は京都の名門吉岡流の3代目吉岡憲法直賢に勝利したほどの腕前で、修業は厳しいものでしたが、「野性的な感と殺傷本能」に優れており、難なくこなし上達も早かったようです。剣術面だけでなく精神面も鍛えられ、村で問題児扱いされていた武蔵ですが、立派な青年へと成長します。
ちょっと雑学
武蔵の出生地は、未だに不明です。武蔵誕生の石碑がある岡山県英田郡大原町か、有馬との仕合の石碑がある兵庫県佐用郡佐用町の2ヶ所に絞られています。
智頭急行の「宮本武蔵駅(岡山県美作市の無人駅)」は、日本で初めて人名が駅に使われたことで有名です。もし、宮本武蔵と会いに電車の旅をするなら、乗車してみてはいかがでしょう。
智頭急行ホームページ:http://www.chizukyu.co.jp/
2.歴史上に残る合戦にも参戦した武蔵
武蔵は、伏見城攻めに始まり、岐阜城攻め、関ケ原の合戦、大坂冬・夏の陣、島原の乱と、歴史に名を刻む6つの合戦に参戦しています。戦国時代を武士として生きた証となる、合戦での戦いぶりを覗いてみましょう。