平成日本の歴史

5分でわかる「アベノミクス」放った三本の矢などわかりやすく解説!

自由民主党と公明党が復帰し、2012年12月26日に第二次安倍政権が発足しました。憲政史上最長の記録となりましたが、残念ながら安倍総理大臣が体調不良を理由に、任期前に辞職されることになりました。7年を経過した安倍政権の政策の柱といえる、「アベノミクス」も中途半端です。しかし、次の政権が、続けてくれそうな気配。今回は、安倍政権成功の鍵とされた『アベノミクス(経済再生)』とは、どんなものなのかを解説します。

1.「日本を取り戻す」を掲げた安倍晋三総理とは?

7年8ヶ月もの長期政権となった、安倍一強時代が終焉を迎えます。1965~1970年まで続き安定政権とされた「いざなぎ景気」を超え、戦後2番目となりました。コロナ禍の2月頃に世界的な大暴落が起き、株の上がり下がりが続き苦戦を強いられていましたが、辞任を表明したと同時に株高が加速しているようです。

1-1.「安倍一強」といわれる長期政権

第四次安倍再改造内閣が発足するも、日本の政治はたくさんの問題を抱えています。「安倍一強」と呼ばれる長期政権は、強気で日本を牽引し続けました。私たちは回復したと感じてないけど、実際は緩やかに回復しつつある景気が追い風になっていたことは間違いないでしょう。

第一次安倍内閣は見事に短命政権でしたが、第二次安倍政権は7年8ヶ月も続いた安定政権。「アベノミクス」が幅広い層の国民に受け入れられたことが大きく、国政選挙で6連勝と強さは絶大でした。その長さは半端なく、2019年11月20日には桂太郎総理の2886日を超えて、トップに躍り出ました。第二次安倍政権だけでも、2020年8月24日に、大叔父佐藤栄作氏の2789日を超えて、連続在職日数が歴代最高となっています。日本は安倍晋三(あべしんぞう)総理大臣をリーダーとして「アベノミクス」を掲げ、デフレスパイラル脱出を目指し進んできたのです

1-2.なぜ若者に人気がある?

若者の貧困率が高い日本なのに、安倍総理は若者に人気があるとか?それは、「日本を取り戻す」をキャッチコピーにした選挙で、勝利したことからもいえます。バブルが弾け世界恐慌時代に入り約10年、不安に押し潰されそうな国民が総理に「弱小化した国を、昔のように強くする。」なんていわれたら、期待するのも当然のことですよね。

将来への希望が持てない若者たちは、苦悩を強いられています。正社員にもなれず、先では年金ももらえないかもしれないんです。不安が重なり結婚なんて全く無理という悪循環を防ぐことができません。

こんな状況下で、「日本を取り戻す」なんていわれたら、誰だって「グッ!」ときますよね。安倍総理の人気の裏には、不安と戦う若者たちの「強い日本」への大きな期待があったのでしょう。不評だったアベノマスクに、女子高生が絵を描き着用したことがニュースになりました。日本の若者の力強さを感じる、嬉しいニュースでした!

1-3.五輪景気は訪れる?

「日本を取り戻す」という言葉通りに、安倍政権内で2020年のオリンピック招致に成功した功績もあるでしょう。大河ドラマの「韋駄天」では、オリンピックに初めて日本人が出場し、第二次世界大戦の敗戦から見事に生還し活気を取り戻した姿や、東京オリンピックが1964年に現実のものとなる、日本のオリンピック史が放送されました。

1962~1964年の「五輪景気(ごりんけいき)」という好景気を経験した日本は、東京オリンピック開催による、景気回復への期待も感じていたしょう。しかし、コロナウィルスの影響で、東京オリンピックはいつもとは違う方向性も検討されています。オリンピックでの、日本の景気は回復は期待できるのでしょうか?

辞任後の朝日新聞の調査で、安倍総理の政策を「評価するは71%」で、「評価しないは28%」。評価する政策は?との質問の回答は、外交問題が30%、経済が24%、社会保障が14%でした。

2.アベノミクスっていったい何?

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先進国の中で、デフレに陥ったのは日本だけ。しかも、長期間抜け出せないでいるのです。この章では、安倍政権が日本経済を立て直そうとする、政策戦略「アベノミクス」とは何かをお話したいと思います。

2-1.経済再生の政策戦略「アベノミクス」とは?

安倍首相は総理の座に就いたとき、経済再生を「我が国にとって、最大かつ喫緊の課題」と発しました。強い経済を取り戻すことを政策に掲げ、「アベノミクス(経済再生)」と銘打ち、日本の経済再生を試みたのです。

「アベノミクス」とは、「長期のデフレからの脱却」と「富の拡大」を目指した、第二次安倍内閣の経済政策三本の矢として掲げる「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」を軸に、日本の生き残りをかけた政治戦略です

「アベノミクス」のネーミングは、安倍総理の「アベ」と「エコノミクス(経済問題・経済状態)」の「ノミクス」をくっつけたネオロジー(造語)。ちょっと皮肉って「アベノリスク」や「アベノバブル」、そして「アベノマスク」という言葉も聞かれました。「アベノミクス」や「三本の矢」は、2013年の流行語大賞にノミネートされたことも記憶に新しいでしょう。

ちょっと雑学

アメリカの第40代大統領のロナルド・レーガン氏がとった「強いアメリカの再生」を目指した経済政策が、「レーガノミクス」と名付けられています。

ちょっと面白い話に、レーガン大統領と同じく高齢で共和党候補の現大統領トランプ氏の経済政策は、1980年代の「レーガノミクス」と共通点が多いとか。時間も後僅かですが、トランプ氏は果たして任期満了までにバブルを巻き起こせるのでしょうか…?また、トランプ氏は、大統領選に勝てるのでしょうか?「外交の安倍」といわれた安倍総理の後任は、強い外交を打ち立てられるのでしょうか?

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