5. 民間投資を喚起する成長戦略とアベノミクスの評価は?
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規制緩和などで、民間企業や個人などが真の実力を発揮できる社会づくりが、「民間投資を喚起する成長戦略」。三本の矢の内、第一、第二の矢が放たれ、アベノミクスの本丸ともいうべき第三の矢「成長戦略」への期待は大きかったのです。
5-1.単純すぎる成長戦略
「成長戦略(日本再興戦略)」と呼ばれる戦略を掲げ、経済財政諮問会議の「骨太の方針」、規制改革会議の「規制改革実施計画」とを、役割分担させながらじっくりと取り組んでいます。主に大胆な規制・制度改革の緩和や、女性・若者・高齢者など人材が活躍できる場づくり、企業の税制優遇、第4次産業革命の推進などがあげられるでしょう。
国と地方を合わせて1000兆円を超える、借金問題への危機感がなく悠長だと、アベノミクスへの厳しい声も聞かれました。成長戦略で掲げた134施策の内、2018年1月時点で目標を達成している項目は、半分以下だといわれています。
デジタル政府の実現ではスマホなどで行政手続を可能にすることや、過疎地での金融や交通のサービス向上も日本経済の活性化も重要な課題です。でも、成長産業を後押しすれば、経済成長に期待できるという考えは安易だという声も聞かれました。
5-2.アベノミクスに対する評価
アベノミクスに対する評価は、5段階評価でいえばほとんどが3前後でした。財政の健全や社会保障などここであげた問題の評価は2です。近年では法案数の減少もいわれており、「特定秘密法」など、安全保障の分野が多くあげられました。
安倍総理は在任日数の新記録を達成し、景気回復期間の長さは大叔父佐藤総理が指揮した「いざなぎ景気」を抜き戦後2番目の長さを達成しています。しかし、消費税増税が悪影響を及ぼした中でコロナ不況も重なり経済は収縮状態で、「戦後最低の経済成長率」という負の記録を作ってしまったのです。
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アベノミクスは、安倍総理の辞任により中途半端で空中崩壊しそうな気配。米国では、「途中までは成功している」との評価している人もいるようですが…。英国やフランスなどの先進国からは、「失敗」と評価されました。
先ほどから触れてますように、デフレからの脱却はできていません。国民の賃金は停滞し、トリクルダウン( 経済・富が富裕層から低所得層に徐々に滴り落ちる理論)は叶わず、貧困の格差は広がったように思います。
5-3.アベノミクスから、新たな戦略は生まれる?
「国民生活はよくなってない」や「安定政権を維持しているだけで何も変わらない」などと、何かと酷使されたアベノミクス。「実感なき景気回復」と評価する声も聞かれました。でも、未だにデフレ回復の兆しはありません。
また、AI(人口知能)やロボットなど、第4次産業革命の推進への後押しとなっており、災害時の対応や建設現場でのロボットの活躍も大いに期待されています。ドローンを使った荷物配送や金融とITの融合によるサービスなども実施されるとか。また、従来から問題になっている、働き方改革や少子高齢化問題、GDP600兆円達成なども、これからの重要課題といえるでしょう。
新政権発足後は、新たなデフレ克服のための大胆な政策を次々と打ち立てて、今度こそ「強い日本」を取り戻してほしいものですね!
国民が期待する安倍政権が打ち立てた政策「アベノミクスの恩恵」は得られるのでしょうか?
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「ポスト安倍」は誰になるのかを、全国民が注目しています。日本の危機といえる状況を立て直し、私たちの未来に何を残してくれるのか、安倍政権が掲げた「アベノミクス」の恩恵を得るには、今後も粘り強い対応が必要で国民も覚悟と我慢が必要なのではないでしょうか。