イギリスヨーロッパの歴史

1980年代に政権を握った「マーガレット=サッチャー」をわかりやすく解説

サッチャー政権の終焉

1989年、ソ連のゴルバチョフとアメリカのブッシュが地中海のマルタ島で会談冷戦の終結を宣言しました。ヨーロッパでは東ヨーロッパ諸国の社会主義政権が次々と崩壊する東欧革命が起きます。

ベルリンの壁の崩壊は、それまで不可能と考えられてきた東西ドイツ統一が現実のものとなることを予感させました。サッチャーは統一ドイツの存在を警戒し、欧州統合に懐疑的な姿勢をとります。また、国内では一人一人に新たに課税する人頭税の実施を決定し、大きな反発を呼びました。

1990年の保守党党首選挙では、1回目の投票で1位となるも、二位以下との差が小さく決戦投票となってしまいました。このことで、求心力が低下したサッチャーは首相と保守党党首の辞任を発表。10年余に達したサッチャー政権は幕を下ろします。

 

現代でもサッチャーの評価は分かれている

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サッチャーは1970年代までイギリスを覆っていたイギリス病を払拭し、経済を立て直したと評価される一方、社会福祉を削減し、弱者の生活を破壊したと非難されることもあります。自助努力を重視する彼女の政治姿勢や政策は、良い面に働けば人々の向上心を引き立てるきっかけとなり、悪い面に働けば弱者を追い詰めてしまったのかもしれませんね。

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