ギリシャヨーロッパの歴史古代ギリシャ

若くして大帝国を築き上げた「アレクサンドロス大王」の生涯をわかりやすく解説

コスモポリタニズムについて

ヘレニズム時代の価値観としてコスモポリタニズム、世界市民主義というのがあります。コスモポリタニズムの語源はギリシア語のコスモス(世界)とポリテス(市民)。

アリストテレスが「人間はポリス的動物」といったように、ギリシアの人々にとってポリスに属して暮らすことが当たり前でした。しかし、ポリス社会が衰退し、アレクサンドロスの大遠征で東方まで広がったヘレニズム世界では、ポリスを人々の考えの基準とすることはできません。

そのため、ポリスの枠を超えた普遍的な生き方が模索されます。その結果生み出されたのがコスモポリタニズムなのでしょう。コスモポリタニズムではポリスや民族を単位とするのではなく、人として個人がどう生きるかというが重要とされました。

アレクサンドロスはギリシアとオリエントを結び付け、「世界」を広げた

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アレクサンドロスの大遠征はそれまで別々の文化であったギリシア文化とオリエントの文化を融合させる役割を担いました。大王の帝国は短期間で統一を失い、分裂の時代に突入します。しかし、大王の遠征で生み出されたヘレニズム文化やコスモポリタニズムは後世にまで影響を与え続けました。

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