ヨーロッパの歴史

なぜ私たちの社会は「民主主義」なのか?選挙に行く前に知っておきたい「民主主義」の歴史

日本の民主主義2・「民主主義」はアメリカの押しつけ?

戦後作られた「日本国憲法」では「主権が国民にある」ということが明記されて、日本は名実ともに「民主主義」の国になりました。政治制度としてはイギリスをモデルにして、権力分立の考え方も取り入れられています。しかし、「日本国憲法はアメリカの押しつけで作られた」という議論を聞いたことがあるかもしれません。「民主主義はアメリカの押しつけだから、日本独自の民主主義を作ろう」「聖徳太子の十七条憲法こそ日本流の民主主義」などという意見もあるようです。

その是非はさておき、近代日本にも「民主主義」の思想はあったという歴史的な事実は指摘できます。たとえば、明治時代に植木枝盛(うえきえもり)という思想家は、独自に憲法の案を作っていました。戦後、その案をもとに民間の学者たちが作った「憲法草案要綱」はかなり「日本国憲法」と近く、実際に憲法制定にあたって参考にされたと言われています。つまり、日本の「民主主義」はルソーなどの影響を受けながら育まれ、現在までずっと受け継がれてきたものだったのです。

近代的な民主主義の意味

近代で発展した民主主義の思想は「基本的人権の尊重」と「権力の暴走を防ぐ」ということが大きなテーマとなっていました。また、国民が政治に参加できるのも民主主義の大きな財産です。選挙に行かれる際は、この原点を忘れずに一票を投じてもらえたらと思います。

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