日本の歴史

アレもそうなんだ!知れば知るほど面白い「日本語になった外来語」

イクラ、ノルマ…日本語になったロシア語

意外に思われるかもしれませんが、ロシア語由来の外来語もたくさんあります。

その代表が「イクラ」。てっきり日本語だと思っていたら、もともとは「魚卵」「小さくて粒粒したもの」を表すロシア語だったのだそうです。ロシアでは、キャビアやタラコもすべて「イクラ」と呼びます。鮭の魚卵自体は、日本でも古くから食していた記録が残っていますが、その頃は「はららご」といった呼び方をしていました。「イクラ」という呼び方が広まったのは20世紀初頭の日露戦争の頃だったといわれています。ロシア兵捕虜がキャビアの代用として鮭の魚卵を食べているのを見て、鮭の卵=イクラという呼び方が広まっていったようです。

鮭の卵は、卵巣から取り出した状態だと筋状につながっていて、この状態を「筋子(すじこ)」と呼びます。当時はまだ筋子と、卵をバラバラ粒状にした状態。この二つを区別する呼び方は特にありませんでした。筋子の状態と区別するためにも「イクラ」という単語は重宝され、より自然に定着していったと考えられています。

【ロシア語から日本語になったとされる外来語】
イクラ、カンパ、ステップ、ノルマ、アジト、キオスク、コンビナート、インテリ 他

ズボン、クーポン…日本語になったフランス語

フランス語から日本語になった外来語もたくさんあります。主に食文化や絵画芸術などに関する単語が多いようです。

すでに日本語の動詞となっている「サボる」という言葉も、フランス語の「サボタージュ(sabotage)」をもとにした造語。ただし、フランス語のサボタージュは破壊活動・妨害行為のこと。私たちが普段使用している「サボる」が持つ意味とはかなり異なります。

「ズボン」の語源については諸説ありますが、はフランス語の「jupon(ジュポン)」が元になっているという説が濃厚です。「jupon」はフランスでは、女性がスカートの中に履くペチコートのこと。履くときの「ずぼっ」という感じから来ている、という説もありますが、こちらは後付けの可能性が高いようです。

普段買い物をするときなどに自然と使用する「クーポン」という言葉も、実はフランス由来。「切り取る」という意味の「couper」から来ています。「クーポン」は英語だと思っていたという人も多いのではないでしょうか。切り離して使うチケットという意味から、このような言葉が誕生したと考えられています。

【フランス語から日本語になったとされる外来語】
ズボン、デニム、ジオラマ、ラメ、クーポン、クレヨン、アトリエ、アンティーク、オブジェ、オマージュ、コラージュ、アンサンブル、カフェ、ブイヨン、オムレツ、ポタージュ、ブーケ、サボる 等

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