平安時代日本の歴史

初心者向け!「源氏物語」のあらすじをわかりやすく解説

源氏物語の登場人物について

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源氏物語には500人もの登場人物がいますが、ここでは主要な人物についてご紹介します。

男性篇 光源氏(ひかるげんじ)

源氏物語の主人公。美男子で女性からモテモテだった光源氏は数多くの浮名を流します。しかし女性に対してマメで優しかったため裏切られた女性は彼のことを恨むことなくさらに求めてしまう。人たらしとでもいいましょうか…。

そんな光源氏の恋愛遍歴は乱れに乱れ、物語の登場人物系図をみても関係が複雑だったことが分かります。だからこそ54帖からなる物語が書けたのかもしれません。とは言え、プレイボーイな光源氏の好きになる女性には共通点がありました。それは義母である藤壺の宮(ふじつぼのみや)に似ているということ。

幼い時に母、桐壺の更衣(きりつぼのこうい)を亡くした光源氏は母の顔を覚えておらず、後に藤壺の宮が桐壷の更衣にそっくりだということを人づてに聞くのです。知らず知らずうちに亡き母の影を探していた光源氏。そう考えると光源氏の女性遍歴は幼少期に得られなかった母の愛を女性に求めていたのかもしれません。

男性篇 頭の中将(とうのちゅうじょう)

桐壷帝(きりつぼのみかど)の妹宮と左大臣の息子。源氏とは幼なじみのいとこ同士で光源氏に匹敵するイケメンでプレイボーイ。しかし陽気な性格で光源氏とはタイプの違うプレイボーイぶりを発揮していました。

そして、光源氏が12歳の時に結婚した葵の上(あおいのうえ)と頭の中将が兄妹だったために2人は義理の兄弟となります。光源氏と頭の中将はともに秀才で女性関係でも競い合うことがあり、また権力争いでもめることがあったものの、結局二人は良きライバルとして大切な存在でした。

男性篇 柏木(かしわぎ)

内大臣(頭の中将)と四の君(しのきみ)との間に生まれた息子。真面目で才覚もあり将来を期待されていて光源氏にとても可愛がられていました。

恋愛に関してはクールな柏木が恋に落ちたのが女三の宮(おんなさんのみや)。しかし自分をかわいがってくれた光源氏の妻となってしまい落胆します。ところが諦めきれない柏木は女三の宮に強引に関係を迫り妊娠させてしまうのです。不倫の子として生まれた息子、薫(かおる)は後に光源氏の息子として育てられることになります。

男性篇 桐壷帝(きりつぼのみかど)

光源氏の父。妻、桐壷の更衣のことを溺愛するのですが彼女が早くに亡くなった後も桐壷の更衣ことが忘れられない桐壷の帝は、容姿のよく似た藤壺の宮(ふじつぼのみや)と再婚します。やがて藤壺の宮との間に子供ができるのですが、実はこの男の子は妻の藤壺の宮と息子、光源氏との間の子だったのです。なんという複雑な関係…。

女性篇 藤壺の宮(ふじつぼのみや)

最愛の妻、桐壷の更衣を亡くし失意の中にいた桐壷帝が容姿がとても似ているとして藤壺の宮を後添えに迎えます。光源氏にとっては義母にあたる藤壺の宮ですが、母の愛情を知らない光源氏は藤壺の宮に対し母としてではなく、女性として思いを寄せるようになり、やがて二人は恋仲に。

しかし義理とはいえ、光源氏は息子。藤壺の宮は許されるはずはないと光源氏を避けるようになるのですが、積極的に迫る光源氏を受け入れ妊娠。禁断の恋の末に生まれた息子はのちに冷泉帝(れいぜんてい)としてわずか12歳で新帝に即位します。

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