独断と偏見で選ぶ三国志特選名場面!
三国志にはのちの世の故事成語の元となるような名場面が数多くあります。劉備が子諸葛亮を迎えた時の「三顧の礼」や「水魚の交わり」。最も優れたものへの呼び名「白眉」。作戦に失敗した愛弟子馬謖を泣く泣く処刑する「泣いて馬謖を斬る」など雑学のクイズでも出題されるような故事が数々ありますよね。その中でも今回は2つの名場面をピックアップします。
曹操の大軍が焼き尽くされた「赤壁の戦い」
赤壁の戦いは名場面の宝庫です。諸葛亮が孫権の参謀たちを次々と論破していく舌戦。これは何度読み返しても爽快ですね。イケメン参謀周瑜との緊迫したやり取り。最後には周瑜を出し抜いて虎口を脱する様は華麗ですらあります。
一方、呉の老将軍黄蓋(こうがい)が仕掛けた「苦肉の策」は見事でしたね。疑い深い曹操を信じ込ませるため、わざと皆がみているところで鞭や棒で打たれる罰を見せつけ、その傷を使って寝返りを信じさせます。そのうえで、曹操軍を燃やす燃料満載の船をぶつけて周瑜の火計を成功させる様子は実にカッコいいです。
戦場から逃げる曹操の前に立ちふさがった関羽がかつての恩義から曹操を見逃す場面は男の生きざまを感じました。映画「レッドクリフ」で赤壁の戦いをメインとしたのもよくわかりますね。
志ならず!諸葛亮最後の戦いとなった「五丈原の戦い」
若き日の諸葛亮が颯爽としているなら、この時期は悲壮感が漂っています。死期の近さを悟った諸葛亮が部下に命じてつくらせたのは己そっくりの木像でした。三国志の中には将星というものが出てきます。将星とは武将を象徴する星のこと。その星が地に落ちた瞬間、武将もこの世を去ります。愛弟子の姜維とともに空を眺める諸葛亮。「見ていよ、今に落ちるであろう」。その言葉が終わると諸葛亮は事きれていました。
諸葛亮と戦っていた司馬懿も将星を見ることができます。司馬懿は諸葛亮の星が落ちたことを確認し、蜀軍への追撃態勢に入りました。戦いで最も難しいのは撤退戦。ここで諸葛亮最後の秘策が披露されます。
いないと思っていた諸葛亮が突然、前線に姿を現したのです。これを見た魏軍は大混乱。たちまち逃げ出しました。ですが、前線に出てきたのは諸葛亮の木造でした。これが「死せる孔明生ける仲達を走らす」の故事です。死んでまでなお、相手を恐れさせる諸葛亮の最後のトリックでした。
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三国志の壮大な世界観は今の日本にも生きている
三国志はコーエーが発売したゲーム「三國志」、「三国無双」などの影響もあり、昔よりもメジャーなお話となりました。出てくる人物たちも個性的・魅力的で読んでいて飽きない物語なので、エンタテイメントの場でも大活躍しています。最近では男性だけではなく、女性の歴史ファンも増えているとのこと。この機会にマンガやアニメ、ゲームなどを通じて三国志の世界にはまってみてはいかがでしょうか。
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