小説・童話あらすじ

5分でわかる『失楽園』!イギリス文学史上の最高傑作のあらすじ・筆者のミルトンをわかりやすく解説!

3-4神と御子の話し合い

神とその息子御子は、サタンが復讐に燃え地球に向かったことを察していました。神はサタンの陰謀に負け、人間が堕落することも見抜いていたのです。

永久の生命を与えられている御子は、「人間の罪を、死として私に与えてください。復活し「死」を征服すれば、地獄の憎悪にも勝てるでしょう。」と神と話をつけていました。

そんな時サタンは、神が創造した宇宙の美しさに感動しながら地球を目指していたのです。ここで出会ったウリエルに、良い天使に化けたサタンは、アダムの住処地球への道筋を教えてもらいます。

3-5エデンでのサタン

かつて、宵の明星と呼ばれる大天使だったサタンは、天空を統括する太陽を睨み嘆きます。エデンの園で神の祝福により幸せに暮らすアダムとイヴを見つけ、ライオンに化け見つめるサタンは憎しみに燃えるのです。

サタンに地球の場所を教えたウリエルは、その天使を地獄の脱獄者と疑い、地球の番人ガブリエルに経緯を話します。ガブリエルは、ガマ蛙に化けた傲岸不遜なサタンを見つけ、7倍もの神の怒りを受けるだろうと宣言しました。神の天秤により戦わずして別れることを告げられ、サタンが地球征服を企んでいることを聞き出した上で、立ち去るよう命令します。

3-6神の使いラファエルからの訓戒

次に良い天使に化けたサタンは、弱いイヴを誘惑し知恵の実を食べるように唆すのです。禁断の樹の下に倒れていたイヴは、アダムに恐ろしかったと泣きながら夢の中で知恵の実を食べたことを話します。

天では神がラファエルに、「エデンの園でサタンが人間を滅ぼそうとしていること。幸福は自由意志に委ねられていること。今、二人に危険が迫っていること。」を、アダムたちに上手く伝えるよう命令します。

ラファエルは、神の末っ子の人間に、父なる神の求めは心の底からの奉仕で、神に服従の心を持ち続けることだと話しました。アダムは、天国で起ったサタンの叛逆による戦争の話を聞き、サタンが地獄に落ちその報復に人間を使おうと企んでいることを知るのです。サタンからの誘惑に負けないよう忠告をして、神を愛し従うよう助言し天に戻ります。

3-7人間を誘惑するサタン

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戻ってきたサタンは、またイヴを狙います。サタンは変身の器に、ずる賢い蛇を選びました。一人でいるイヴは、その蛇に神のようになれると知恵の実を食べるよう促され食べてしまうのです。

今度はイヴがアダムを誘惑します。サタンの企みによりアダムは、神への愛かイヴへの愛か、究極の選択を迫られるのです。アダムはイヴと運命を共にし、同じ審判を受けることを選びます。知恵の実を食べたことで、「原罪」が成立しました。

御子は人間に宣言をくだすために、エデンの園へやってきます。裸を恥ずかしがる彼らを見て、知恵の実を食べたことを確認し罰を与えたのです。アダムには自分で労働をして食べ物を手に入れる苦しみと、最後には死んで土に帰り塵となる定めを。イヴには出産の苦痛を与えました。哀れな二人に御子は、獣の毛皮で作った衣を与えました。蛇には、全ての動物以上に呪われ、死ぬまで地面を這いずくばり、塵のみを食べて生きるように命じたのです。

3-8エデンの園からの追放

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地獄へ戻ったサタンは、怪物に変えられました。地獄に生えたエデンの果実を口にするも灰になり、乾きと飢えに苦しむのです。そして、神を裏切ったことを後悔し悔い改めれば元の姿に戻すと宣言を受けました。

ミカエルが神の宣言を伝えにエデンの園に来て、「楽園追放」をいい渡しました。その後も神を従うアダムを見て、神からの慰めを語ります。本来ならアダムやその子孫が受ける罰を、御子キリストが受け、受肉、死、復活した後に昇天を成し、子孫が救われることを知るのです。前途は多難だが二人が一緒なら楽園にいるのと同じと、楽園を去りました。原罪を背負うも神の摂理に導かれ、再出発する人間の英雄的な姿がエンディングに描かれています。

4.『失楽園』はこう読め!

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サタンら堕天使たちは暗黒や混沌、無秩序や虚無など、神の光源に対する存在として扱われます。彼らは、キリストや善天使たちと対抗するも、最後は征服され彼らの支配に下るのです。

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