平成日本の歴史

就職難の時代に誕生した「氷河期世代」とは?現代社会の縮図はココにあり!

アベノミクスによる就職氷河期の終焉?

2013年に民主党から政権を奪還した自民・公明党は、安倍晋三を首班として大胆な経済政策に乗り出します。これがいわゆる「アベノミクス」です。

・デフレ解消のために量的金融緩和政策を主眼とする「大胆な金融政策」

・大規模公共事業を推し進めることによる「機動的な財政出動」

・国民が活躍し、民間投資を喚起する「成長戦略」

この三本の矢をもって日本経済を押し上げようとするものでした。

円安基調に振れた円相場は1ドル125円まで進んで輸出企業の業績を後押しし、2018年には日経平均株価が2万4270円まで高騰しました。また多くの大企業では収益がこぞって上昇し、雇用環境もようやく安定期に入ったのです。

働く女性や高齢者が増えたおかげで就業人口が380万人増えたこともアベノミクスの成果でしょう。また企業の業績がアップするにつれて新卒採用の枠も広くなり、多くの若者が就職氷河期に悩むことなく就職活動に打ち込むことができました。

しかしアベノミクスは良い面ばかりでもありません。大企業の収益は上がったものの、労働者の実質賃金は伸びず、多くの人は好景気だということを実感できません。また相次ぐ消費増税によって個人消費が冷え込み、好況感の指標である内需が伸びていないことも挙げられるでしょう。

また就業人口が増加し、完全失業率が改善の傾向だったものの、その実際は非正規雇用による数字の水増しでしかありません。新卒採用の門戸が広がったことについても、少子化で新卒者自体が少ないということも指摘されていますね。

アベノミクスが成功だったのか?失敗だったのか?それは今後の評価を待たねばならないでしょう。

新型コロナウィルスの影響はどうなる?

2020年春以降、新型コロナウィルス(COVID-19)が日本国内へ蔓延したことにより、多くの企業が活動の制限を余儀なくされ、大きな打撃を受けています。

観光業、飲食業、エンタメ業界などでその影響は顕著なのですが、今後はあらゆる業種へ波及していくことでしょう。おそらく2021年度卒業予定の就活生たちも、相当苦労されるのではないでしょうか。そう、就職氷河期が再びやって来ようとしているのです。

不況や逆境にもかかわらず戦ってきた諸先輩に負けないよう、頑張って頂きたいものですね。

 

景気動向を映し出す「氷河期世代」

image by PIXTA / 5868259

不況の時代に「氷河期世代」あり。この図式は今後も変わることは無いでしょう。日本の景気が悪くなれば、企業の業績や収益も悪化し、新しく人を雇う余裕がなくなるわけで、考えてみれば当然のことです。「就職氷河期」を乗り越えるには、やはり誰にも負けない努力や熱意、専門知識や技能を磨くべきなのでしょう。人と同じことをしてても先には行けません。オンリーワンな実力を持ちたいものですね。

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明石則実