ヨーロッパの歴史

名曲にドラマあり!誰かに話したくなるクラシックのエピソード7選

規模が大きすぎて演奏できない交響曲・マーラー

グスタフ・マーラー(1860年~1911年)はオーストリア出身の音楽家。

貧しい家に生まれ、不遇の少年時代を過ごしながら音楽の才能を開花させ、若くして成功をおさめた天才です。

マーラーといえばやはり交響曲。大きな劇場で演奏されるような、大オーケストラによる演奏曲がマーラーの代名詞となっています。

その性格はとにかく真面目で頑固。完璧主義者で、思ったような演奏を行うために妥協を許さず、楽団員たちにきつく当たることも多かったそうです。

そんなマーラーの代表曲の中に、通称「千人の交響曲」と呼ばれるものがあります。

本来の名称は『交響曲第8番 変ホ長調』。大楽団と2組の混声合唱団の他に少年合唱隊も加わるため、どっちが客席?と思ってしまうほど演者の人数が多い、スケールの大きな楽曲です。

現代でも、そう簡単に演奏できるとは限らない「大物」。観劇する機会があったら逃す手はありません。ぜひ劇場に足を運んでください。

さて「千人~」という異名は、コンサート初演の興行主が話題作りのためにつけたもので、マーラー自身はこの呼び方を不服としていたとか。マーラーの真面目一徹な性格が伺えます。

話題にはなりますが、演奏側からすると演者の人数をそろえなければならないし、簡単にはいきません。しかもマーラー先生は細部に至るまで厳しい厳しい。演奏側から不満の声が吹き出し、ぎすぎすした中で迎えた初演だったようですが、そこはみんなプロ。初演は大成功で聴衆は大熱狂。マーラーの名声を不動のものにしたと伝わっています。

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現代にも名を遺すクラシック音楽家たちは、当時は最先端の大スター。世間から注目されることも多く、庶民の想像をはるかに超える生活を送っていたはずです。でもどの音楽家たちも、社交家の華やかな世界に身を置きながら、真摯に音楽と向き合っていたことが伺えます。いつの時代も「成功者のオトボケエピソード」は楽しいもの。今回の記事を、天才たちが残した曲を聴く際に思い出してもらえたら嬉しいです。

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