【5分で解説】封建制とは?ヨーロッパで何があった?なぜ崩壊した?封建社会をわかりやすく解説!
3-3. 日本とヨーロッパの封建制度の違いとは
「封建制度」と一口に言っても、日本とヨーロッパでは様子が異なりますが、土地や農作物を守る目的があり、領地を与えられることで主君と家臣の主従関係が築かれる、という点は共通しています。
日本の封建制度は「主君から領地を与えられた御恩に報いるため、戦に出たり護衛をしたりといった奉公をする」という考え方がベースとなっているのです。
一方、ヨーロッパの封建制度の基礎は「契約」。主君が家臣を雇い、家臣は雇われることで初めて忠誠を誓います。そのため、主君が家臣をないがしろにした場合などは、契約が短期間で終わることもあったようです。逆に、子や孫の代まで何世代も同じ家に仕え、世襲する家臣もいました。
江戸時代の日本の場合は、主従関係を結ぶ主君(将軍)はひとりだけ。武士はみんな、この世に生まれた時から仕える相手が決まっています。どんなにワガママでもおバカでも超浪費家でも、別の主君に乗り換えることはない、という点も、ヨーロッパの封建制度との大きな違いと言えそうです。
日本とヨーロッパ・それぞれの国に深く根付いた封建制度
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封建制度が長く続いたのは日本とヨーロッパだけ。中国では周王朝以降、封建制度は用いられていません。海外の人たちの目にどのように映るかわかりませんが、700年物間、日本の封建制の中心となっていた「御恩と奉公」という言葉は実に誇らしいものだと、個人的にはそう感じました。そこには案外、未来を生き抜くヒントやキーワードが隠されているかもしれません。誰かに支配されることのない現代においても、大切にしていくべきだと思います。