小説・童話あらすじ

ルイス・キャロルが産んだ奇跡の児童小説『不思議の国のアリス』を徹底解説!

4-6豚になった赤ちゃんと胡椒

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Sir John Tenniel – Scanned from “The collected verse of Lewis Carroll”. New York, The Macmillan Co., 1933. ([1]), パブリック・ドメイン, リンクによる

公爵夫人の小さな家の前では、サカナとカエルの従僕が王女様からのクロッケーの招待状を取り交わしています。キノコを食べて小さな家に入ったアリスは、赤ちゃんを抱いた機嫌の悪い公爵夫人と胡椒好きの料理人、チェシャ猫をみました。

公爵夫人から赤ちゃんを渡されるも、豚に変わって森に走り去ります。森の中の木にはニヤニヤ笑うチェシャ猫がおり、三月ウサギと帽子屋にいく道を教えて、フッと消えました。

4-7意味が分からない「くるくるパーティー」

三月ウサギの家では、帽子屋とネムリネズミがお茶会を開いています。そこにアリスは入り込みますが、彼らは答えのないなぞなぞや、王女に死刑を言い渡されてから時間が止まっていることなどの話を聞きます。でも、あまりに失礼な態度が続き、嫌気がさしたアリスは席を立ちました。

その時、木の幹に小さなドアをみつけ中に入り、最初のホールに出ます。ガラスのテーブルにある金の鍵を上手く使って、花が可憐に咲き誇り美しい噴水もある庭にやっと辿り着きました。

4-8女王様が開くクロッケーの試合

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By John Tenniel – Alice’s Adventures in Wonderland, Public Domain, Link

手足の生えたトランプが、白バラに赤いペンキを塗っています。ハートの王と癇癪もちの王女が現れ、王女はトランプたちに打ち首を言い渡し、アリスにクロッケーの試合に参加するよう命令したのです。

クロッケーの槌はフラミンゴ、ボールはハリネズミ、ゲートには生きたトランプを使う、へんてこな試合は直ぐに混乱します。そんな時、空中に頭だけのチェシャ猫が現れ、飼い主の公爵夫人を呼び出すも、またフッと姿を消しました。

4-9モックタートルの話

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パブリック・ドメイン, リンク

王女はご機嫌でやってきた公爵夫人を立ち去らせ、試合の参加者を次々と打ち首にしたため、誰もいなくなりました。疲れた王女はアリスに、ウミガメの話を聞いてくるように命令しグリフォンに案内させます。涙をいっぱい溜め岩場に座る、モックタートルがいました。

彼は、話が終わるまで口を利かないでほしいと、モックがなかったタートル(ウミガメ)時代の話を始めます。モックタートルにアリスが質問をして、口論になる間際でグリフォンが口を挟み次の話題へ移しました。さまざまな教訓を語る中で、キャロルらしいロゴ合わせの言葉遊びがみられます。

4-10ロブスターの踊り

モックタートルは海の底に住むロブスターの、楽しい遊戯の話を始めます。グリフォンを加えて二人で遊戯の説明をしながら踊ってみせます。「最後の折り返しの歌を~」とグリフォンがいった時に、遠くから「裁判が始まるぞー」という声が聞こえました。グリフォンはモックタートルの歌が終わる前に、ここを離れようとアリスの手を引き走り去りました。

4-11タルトを盗んだのは誰?

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Sir John Tenniel – “Alice’s Adventures in Wonderland” (1865), パブリック・ドメイン, リンクによる

裁判場についたアリスは、王女のタルトを盗んだと玉座の前で裁かれるハートのジャックをみました。白ウサギが罪状を読み上げる中、アリスは陪審員として座るたくさんの動物たちの中に紛れ見物します。そんな時に、何故かアリスの体がどんどん大きくなりはじめました。

4-12証人になるアリス

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パブリック・ドメイン, リンク

3番目の証人として呼ばれたアリスは、「何も知らない」といいました。ジャックに罪を着せようと、有罪の証拠をでっちあげる、ばかげた裁判の成り行きにとうとう非難をします。ついに「あなたたちは、トランプのカードに過ぎないじゃない」と言い放ったのです。

優位に立ったのは一瞬だけ。トランプたちが舞い上がったかと思うとアリスに襲い掛かりました。彼女が悲鳴を上げたと同時に、姉の膝の上で目を覚まします。夢でみた「不思議の国」の話を姉に語り、走り去っていきました。姉はアリスが冒険した話を自分に置き換えまどろむと、アリスの将来へ希望を思い物語は終了します。読み手に余韻が残るような終わり方も、メルヘンチックなキャロルの世界かも…。

5.おすすめの『不思議の国のアリス』

image by iStockphoto

4章で構成されていた『地下の国のアリス』を加筆修正し、12の章仕立ての本として出版された『不思議の国のアリス』。思いがけない出来事がどんどん登場し、一端読み出したら止まらないこと請合いです。この章では、おすすめの本をご紹介します。

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