トッカータとフーガ
テレビのCMや、ゲームで失敗した時、悲劇的場面や衝撃的場面などのBGMでよく使われるのが「トッカータとフーガ」です。
トッカータとは、オルガンやピアノ、ハープシコードなどの鍵盤楽器用に作られた曲。即興的で自由な形式の楽曲で17世紀~18世紀中ごろのバロック時代に流行しました。
即興的ということは、アレンジがしやすいということでもあります。そのため、オルガンなどの鍵盤楽器だけではなくバイオリンなどのアレンジもとても魅力的。
「トッカータとフーガ」はドラマティックな旋律なので、現代のわれわれが聞いても刺激的です。そのため、テレビやCMなどで多用されるのでしょう。また、メインテーマにあわせて曲が展開していくので独特の盛り上がりが生み出されるのも特徴ですね。
G線上のアリア
「G線上のアリア」は後世の通称で、元の曲名は「管弦楽組曲第3番ニ長調」です。その中の第2曲である「アリア」を19世紀にバイオリニストであるアウグスト=ヴィルヘルミがバイオリンとピアノの曲として編曲しました。
ヴィルヘルミが編曲した時、ニ長調からハ長調にしたため、バイオリンの最も低い音を奏でる弦である「G線」のみで演奏できるようになったことから「G線上のアリア」と呼ばれるようになったとのこと。
「アリア」とは、本来、叙情的で旋律的な独唱曲のこと。オペラやカンタータ、オラトリオなどに含まれます。G線上のアリアは歌唱を目的としていないので例外的だといえますね。
ゆったりとした優美な旋律は心安らぐものがあります。そのためか、卒業式や追悼曲などの定番として演奏されることもありますよ。
バッハは王道ゆえに「音楽の父」とよばれた
バロック時代はヴィヴァルディやヘンデル、バッハなど数多くの音楽家が生まれた時代です。その中でもバッハが「音楽の父」と呼ばれた理由は、彼の音楽が流行を追いかけるものではなく教会音楽という制限の中で音楽理論を追求したことにありました。生きていたころはヘンデルの方が高い名声を持っていましたが、ヘンデルが最新のイタリア音楽の影響を色濃くうけていたため、のちの時代になると時代遅れと評されてしまいます。バッハは王道を貫いたことで「音楽の父」とよばれる名声を得ました。