日本の歴史

5分でわかる薙刀の歴史ー誰が使ってた?有名な薙刀は?女性の武器になったのはなぜ?わかりやすく解説

4-2.女性では扱えない巨大薙刀【大薙刀(無銘伝法城寺作)】

刃の長さが80センチもあり、女性では到底扱えない巨大な薙刀です。南北朝時代に製作されたと考えられていて、法城寺派は但馬国(兵庫県北部)に本拠を置いた刀工の流派で、特に法城寺国光は薙刀の名人として知られています。

大薙刀(おおなぎなた)は鎌倉時代以降に登場しましたが、この大薙刀は屈指の名物として評価が高いもので、国の有形文化財に指定されていますね。

現在は千葉県立中央博物館大多喜城分館に所蔵されているとのこと。

4-3.武田信玄が奉納した薙刀【大薙刀(銘備州長船兼光一振)】

「甲斐の虎」と異名をとった戦国大名武田信玄が武田八幡宮へ奉納していたものを、明治初年に法善寺へ移されたという経緯があります。

銘にある「兼光」は鎌倉時代の長船鍛治を代表する名工で、二代兼光の頃には武威を誇示するあまり、三~四尺(90~120センチ)もある豪刀を鍛えては全国的に流行させました。

この薙刀もその流れを汲んで非常に大きなもので、いかにも戦乱の時代らしい豪壮さを今に伝えていますね。山梨県南アルプス市にある法善寺に所蔵されています。

凛とした美しさ際立つ薙刀

image by PIXTA / 22224409

刀剣や槍などはどこか武骨に映るものですが、いっぽう薙刀の場合はその切っ先の作りといい優美さを感じさせますね。そういった意匠的な部分にも女性的な何かを感じずにはいられません。日本独自の発展を遂げてきた薙刀ですが、現在にも連綿とその伝統が続いているということが素晴らしいと思います。

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明石則実