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「BRICS」って何?世界の経済を担う5つの国をわかりやすく解説!

プーチンによる経済改革とロシアの経済

エリツィンが辞めた後にロシア大統領に就任したプーチンは新しく経済改革を実施。プーチンは市場主義の経済を推進していく一方で、ロシアで急速に発展していた新興財閥であるオリガルヒを次々と弾圧するなど市場主義経済の邪魔になる存在は次々と消していくというかなり過激な経済改革を行っています。

ロシアの経済は基本的には鉄鋼業と石油天然ガスなどといった資源の輸出。

石油は2004年にはアメリカやサウジアラビアを抜いて第1位となるほどの石油大国となっており、天然ガスも全世界の27パーセントを占めるほどの規模になっていました。

さらにソ連時代のいい遺産である科学技術と航空宇宙産業などといったのちの世界に大いに重要になるであろう産業における人材が多いところもなどにも注目が集められています。

ロシアは潤沢にある資源や鉄鋼業によってソ連からの脱却や経済の発展に努めているのです。

ロシア経済の問題

そんなロシアなんですが、ロシアの最大の課題と言えるのが人口の減少と石油依存。

ロシアはBRICSの中では唯一人口の減少が予想される国であり毎年およそ70万人ずつ人口が減少しているといわれています。さらにサンクトペテルブルクやモスクワなどといった都市部とシベリアの過疎地域の経済格差が凄まじい事もロシアの一つの問題となっているのです。

さらにロシアの輸出に占めるエネルギー資源の割合はなんと約55%に上るなどかなり資源を頼っている部分もあり、ソ連時代の負の遺産である旧国営企業の製品の質が低いこともあり、ドイツやアメリカや日本などといった国とは争えないほどの技術の遅れが目立っているのでした。

このようにロシアは資源以外での部分が見劣りしていることもあり、原油価格によって国の経済が傾くかもしれないという危険性も持ち合わせている国なんですね。

インド

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カレーのイメージが強いインドですが、実はインドは世界の中でも特に一番の経済成長が見込まれている国でもありました。

インドは建国以降計画経済と自由経済を合わせ持った混合経済を取っていましたが、時代が経つと自由経済を重視する方向に向かい始めていきました。

潤沢な人口

インドの経済が上向きとなる一つの根拠となっているのが膨大な人口。インドは2060年ごろまで人口が増加し続け、さらには2028年にはインドが中国を抜いて世界一の人口と予測されており2028年のインドの人口は14億5000万人に到達するといわれていました。

さらに面白いのが今でも12億人いるのにもかかわらず、食料自給率が100%を超えているとされています。

これはインドが1960年から1990年まで行っていた緑の革命の成果によるものなんですが、これによってインドは豊富な人口がいるのにもかかわらず自国で国の食糧をまかなえる状態となりました。このため、中間層による購買意欲がとても高く、経済成長率が8%と成長率が著しく高くなっているのが特徴となっています。

IT産業の著しい発展

インドのもう一つの特徴が通信技術(IT)産業が著しく発展していることがあります。

インド人といえば数学が強いというイメージがありますが、この数学に強い利点がインド人のIT企業の強みとなりIT産業は1990年代を通じて50%近い成長を遂げ、IT不況を迎えた21世紀に入っても約20%の順調な成長を続けており、2003年時点では国内GDPの2.6%を占めるまでに至っていました。またグーグルなどのアメリカの大企業にも人材を輩出しており、これから先発展が見込まれる産業を牽引する存在となっているのです。

インドの問題

インドの最大の問題と言われるのが貧富の差とカースト制度の残骸。インドでは第一次産業の従業人口が約60%を超えており、さらに衛生管理が劣悪なこともあって感染症にかかるケースが後を絶たないそうです。

また、識字率は日本が99%強なのに対してインドでは約60%という状況でとどまっています。

教育というのは仕事を支える一番重要な要素であり、この識字率が低いという事実はインドの重い足かせになるのは間違いないでしょう。また、インドではカースト制と呼ばれる厳格な身分制度が決められており自由に就職することができませんでした。これが新しい産業への参入などの強みにもなっているのですが、このカースト制が現在でもインドの社会に色濃く残っており、仕事の参加などを阻んでいるという影響も出ているのです。

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