倭寇は国としての交易がおこなわれていなかった時代の交易方式
倭寇は、古代におこなわれたものと、中世におこなわれたものとはまったく別のものでした。古代には、日本ではなく、朝鮮半島南部にいた倭族が朝鮮半島の沿岸を侵略していたものを言います。
私たちが倭寇と言っているのは、まだ、日本という国としての交易がおこなわれていなかった鎌倉時代から室町時代初期までおこなわれた私的な水軍による交易だったのです。彼らは、商売がうまくいかなかった時には海賊になって、中国船や大陸の沿岸地域を襲っていました。
しかし、中世の日本の大陸文化は彼らによってもたらされたと言えます。